仏高級ブランドシャネルは、定番ハンドバッグ3種類の価格を4月8日より値下げすると発表していた。値下げ幅は20%に上る。だが、実際には、北京や上海のシャネル店舗では、値下げ予定日を待たずにひっそりと値下げが実施されており、消費者が店舗に殺到しているという。北京青年報が伝えた。
シャネルはこれまでに、今年4月8日より、世界の各店舗で、定番ハンドバッグのうち、「11.12」「2.55」「Boy」の値下げを行うと発表していた。中国では、20%値下げされ、「11.12」の販売価格は3万8千元(1元は約19.5円)から3万元に、「Boy」は3万2700元から2万6千元に変更される。商品1個あたり最高で8千元ほど安くなる。
19日、北京青年報記者が新光天地にあるシャネル店舗を取材した。他のぜいたく品店舗と全く違うのは、シャネル店舗には買い物客が大勢詰めかけており、数人の客がカウンターで価格を尋ねていた点だ。同店の販売担当者は、次の通り状況を説明した。
「店内で販売されているハンドバッグは全て、価格が改定されており、以前より数千元安くなっている。今のところ、並ばなければ買えないという状況にはなっていないが、お客様はかなり先を争って購入している。販売員1人が8人以上のお客様に対応しなければならなくなっている。午後2時ごろ、店内には30人から40人のお客様がいた。値段を尋ねたあるお客様は、値下げされたと聞いて急いで店に駆けつけたと言っていた」
上海のシャネル店舗は、北京よりさらに熱気を帯びている。18日、上海恒隆広場店は客でごった返し、保安担当者が入場制限措置を講じた。値下げされた数種類の黒の定番バッグはすでに品切れになった。香港の各支店では、多くの香港市民と大陸部からの買い物客が長蛇の列を作り、こちらでも一部商品は品切れ状態になった。
ぜいたく品業界の関係者は、次の通り指摘した。
「実のところ、今回のシャネルの値下げは、代理購入対策の目的のみで行われた訳ではない。中国のぜいたく品は、価格が総じて高めであることから、中国人のぜいたく品消費が、国内から海外にシフトする傾向が著しいことにもよる。昨年のデータによると、中国人のぜいたく品消費は、76%が欧米市場で行われ、国内消費額は前年比11%減少した。国内のぜいたく品専門店は多くが有名無実で、広告塔やショールームとしての役割しか果たしていない。だが、多額のランニングコストを負担しなければならず、各ブランドの利益がどんどん落ちこんでいる。よって、価格を値下げして消費者を中国市場に呼び戻そうと図ったのだ。エルメスやルイヴィトンなどの高級ブランドは、まだ値下げに踏み切っていないが、シャネルはいち早く値下げを行った。シャネルの値下げを引き金として、一連の値下げの波が生じると予想される」(編集KM)
「人民網日本語版」2015年3月20日