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頻繁な軍事演習、欧州で激化する米露の力比べ

人民網日本語版 2015年03月25日08:45

 最近、黒海、バルト海、北極海地域で軍事演習が相次いで実施されている。NATOは3月6日、実戦演習「大西洋決意行動」を実施した。在ポーランド米国大使館の報道官は、米国がポーランドおよびバルト海諸国への軍の「臨時」駐留を延期したことを認めた。16~21日、ロシア北方艦隊、西部軍区部隊、空挺部隊は突撃戦闘即応検査を行った。これは西側との関係が冷え込んで以来最大規模の軍事演習の1つだ。

 軍事演習の目的に対する西側諸国の推測に対して、ロシア連邦軍のゲラシモフ参謀総長は「今回の突撃戦闘即応検査はいかなる国に対しても脅威にならない」と述べた。だが冷戦後のNATOの東方拡大以来、この地域では米露欧の軍事力が一触即発の事態にあり、対峙がエスカレートし続けていることが懸念されるとの声もある。

 過去1年間にウクライナが西側諸国に接近し、NATO加盟を図ったことで、ロシア西部国境の不安感が大幅に強まった。西側諸国とNATOも東方へ一歩一歩迫り、ウクライナ軍との合同演習を繰り返し行っただけでなく、黒海、東欧地域でも軍事的プレゼンスを強化し、ロシアの地政学的安全性にとってさらなる試練となった。ロシアは脅威を前に軍事面でも相応の行動をとった。ロシアは4年ぶりに最新の軍事ドクトリンを打ち出し、近隣国の不安定化、近隣国での外国勢力の激増、NATOの軍事力の拡大を主たる軍事的脅威に挙げ、米国を始めとする西側諸国の軍事的動向への警戒をさらに強めた。行動面でも、ロシアは軍事力のモデル転換を加速し、装備の刷新の強化、軍事力配備の重点の調整などを通じて、戦略的抑止力の強化に努めている。

 NATOの頻繁な軍事演習に対して、ロシア連邦軍のバルエフスキー元参謀総長は「NATOは軍事演習の形で軍を動員し、軍事演習終了後も強化された軍と重火器を軍事演習の現場に留めている。NATOの行う軍事演習は政治的にも軍事的にも正当な理由がない」と指摘した。

 モスクワ国際関係大学分析センターのシニア・フェロー、レオニード・グセフ氏によると、ロシア西部国境では安全保障情勢の不確定性がここ1年余りで確かに強まっている。ウクライナ東部の動乱以外に、NATOやEUの一部の国もロシアに対する防備心理を強めている。最近バルト海地域での軍事演習が明らかに増えており、米国がウクライナに武器を供与しようとしているとの声も絶えず聞かれる。これに対してロシア側には十分な準備と対応措置がある。だがミンスク停戦合意後、ウクライナ情勢はすでに比較的緩和しているうえ、NATOは多くの加盟国が経済不振にあえぐ中、重要な貿易パートナーであるロシアとの関係が悪化し続けることを望んでおらず、NATOも東欧での軍事的プレゼンスの強化に必要な軍事費、人員などの問題をすぐには解決できない。このためロシア・欧州間の緊張を過度に誇張する必要はなく、現在の情勢は全体的に言って依然安定している。

 米国のバーンズ前国務副長官は雑誌のインタビューで「イラン核問題、対テロ、シリア情勢その他いくつかの問題で、西側とロシアには依然協力の余地がある」と指摘した。「ロシアとの協力は米国の外交上、国家安全保障上の利益を構成する重要な一部であり、米国はロシアとの関係の全面的な決裂を望んでいない。ロシアも同様だ」と指摘する声もある。(編集NA)

 「人民網日本語版」2015年3月24日

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