ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)は26日、2015年ネイチャー・インデックスを発表した。中国が2014年に発表した研究論文の総数は、前年に続きアジア太平洋で最多となった。Weighted Fractional Count(WFC)によると、アジア太平洋地域の高品質論文の総数で、中国から5つの研究機関がトップ10入りを果たした。科技日報が伝えた。
同指数によると、高品質論文の掲載数が最多だったのは中国科学院で、同指数に対する貢献度は前年比で8%上昇した。中国科学院の高品質論文の掲載数は、2014年の時点で2位の米ハーバード大学の1.5倍となっていた。その他、アジア太平洋でトップ10入りした中国の研究機関は、北京大学、清華大学、南京大学、中国科学技術大学。
2015年アジア太平洋ネイチャー・インデックスは、2014年1月1日から12月31日に発表された論文を対象とし、68の科学誌に掲載された論文の貢献度を機関、国別に算出した。これらの科学誌は、在職中の科学者でつくる独立した審査チームによって選出される。同指数は、▽共著機関または共著国全てに対して1論文を1と数える計算方法(Article Count:AC)▽共著者の割合に応じて国や機関に論文数を割り振る計算方法(Fractional Count:FC)▽ジャーナル総数が極めて少ない宇宙物理科学を他分野と同様にカウントすると比重が重くなりすぎるため、宇宙物理科学にのみ重み付けを行うことで標準化する計算方法(Weighted Fractional Count:WFC)――の3種の計算方法によって、論文をカウントする。WFCは、よりバランスの取れた比較ができることから、最も重視される計算方法だ。
NPGの中華圏シニア・ディレクター、「ネイチャー」編集長のニック・キャンベラ博士は、「同指数によると、中国は科学研究への持続的な取り組みによる成果を手にしている。中国はすでに、高品質論文の掲載数が世界最多の国の一つになった。中国はこのほど科学研究奨励システムの全面的な構造改革を発表したが、これは中国が現在の発展の勢いを維持し、効率を高めるのに役立つだろう」と指摘した。
WFCによると、中国は4つの学科のうち3つ(化学、物理学、地球・環境科学)の貢献度で首位になっている。化学の論文掲載数は、2013年比で23%増となった。中国の5大科学研究機関が発表した高品質化学・物理学論文は、これらの機関が発表したネイチャー・インデックス指数論文全体の90%以上を占める。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年3月27日