習近平国家主席は28日、ボアオ・アジアフォーラム開幕式での基調講演で大所高所から「1ベルト、1ロード」戦略について詳しく説明したうえで、「1ベルト、1ロード」建設のビジョンと行動文書をすでにまとめたことを発表した。その後、中国側はこの待ち望まれていた文書を対外発表し、「ベルト」はどれほどの幅なのか、「ロード」はどれほどの長さなのかといった疑問に答えた。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
「1ベルト、1ロード」はその提唱・推進過程を見ると壮大な戦略、システム工学であり、中国の特色ある大国外交を構成する一部であり、中国の包括的外交の具体的体現だ。「包括性」は「1ベルト、1ロード」戦略の最大の特徴であり、その目的において際立っている。
「1ベルト、1ロード」建設は包括的発展を実現し、開放的で、包括的、均衡ある、地域経済協力メカニズムを共同で築き、国内の沿線民衆が公平な参加機会を共に享受できるだけでなく、沿線国・地域も発展の成果を共に享受できるようにすることを旨としている。中国側は中国経済発展の急行列車に各国が乗ることを歓迎し、チャンスと繁栄を共に享受し、協力・ウィンウィンを実現することを主張している。コネクティビティは発展過程における特定の国の脱落を防ぐうえで助けとなる。
全体的構想は「包括性」をはっきりと示している。第1に「1ベルト、1ロード」は推進において各国の発展戦略と地域協力計画との相互連結を重視する。「1ベルト、1ロード」イニシアティブは中国の戦略や国力を一方的に波及させ、送り出し、中国の発展の需要への適応を他国や地域に強いるものでは決してなく、他国や地域の発展戦略と連結して、その発展の望みと一致するものだ。第2に「1ベルト、1ロード」の推進は共に話し合い、共に建設し、共に享受する原則を堅持する。
実施計画は「包括性」を強調している。第1に協力体制において、現有の二国間または地域の協力体制・イニシアティブに挑戦し、取って代わろうとするものではなく、現有の地域協力体制との相互補完を重視している。中国側は二国間共同活動制度の整備と同時に、多国間協力体制の強化を主張する。第2に、協力の重点における「政策面の意思疎通」「施設のリンク」「貿易の円滑性」「資金の流通」「心のつながり」自体が「包括性」を体現している。沿線各国は資源環境が異なり、経済的補完性が強く、相互協力の潜在力と空間を「包括性」の強化によって解き放つ必要がある。第3に、協力方法において多様化を重視し、厳格な統一的参加ルールを定めず、一致性を追い求めず、高度に柔軟で弾力性に富み、多元的で開放的な協力プロセスだ。具体的協力プロジェクトを確定する際には二国間・多国間の利益に配慮できることに注意し、各国が同意し、条件が整ったものをしっかりと実施することを強調する。