清明節は毎年、4月5日前後である。中国における清明節は祖先の墓を参り、草むしりをして墓を掃除する日であり、「掃墓節」とも呼ばれた。日本におけるお盆に当たる年中行事である。また、春を迎えて郊外を散策する日であり、「踏青節」とも呼ばれた。
この時節は、雨が次第に多くなる。親に仕える道を重視する中国人は、「生者に仕える如く死者にも仕える」という考え方から出発し、墓を先祖が地下に住んでいる場所と見なし、雨季が到来する前の清明の季節にはまず、風雨に一年間さらされてきた墓を修復、整理し、草を刈り、土を盛らなければならない。そして供物を並べて礼拝し、先祖にご加護と平安を祈るのだ。
中国では、清明節に、先祖があの世でお金に困らないようにと、紙銭を燃やす習慣がある。ここ数年、紙銭や食品など、伝統的な物に代わって、紙製の高級車や家電製品、高級タバコ、白酒などが清明節の人気商品となっている。また、燃やされる紙銭の「額」も増加しているほか、ドルや札束、クレジットカードなどを燃やす人もおり、多くの人があの世の「インフレ」を懸念しているようだ。また、iPhoneやサムスン製のスマートフォン(多機能携帯)も人気となっている。>>