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AIIBは任重くして道遠し

人民網日本語版 2015年04月16日14:41

 過去1カ月余りの間、アジアインフラ投資銀行(AIIB)に世界は極めて強く注目した。いくつかの雑音やごく一部の国の妨害の中、AIIB創設メンバーの数は予想を上回った。冷戦思考と覇権意識を持つ者はこれを大変不愉快に思っている。だがどうあろうとも、AIIB「コミュニティ」は拡大する一方だ。創設メンバーの最終的な決定は「万里の長征」の第一歩に過ぎず、今後のAIIBは「任重くして道遠し」であることを、われわれははっきりと認識すべきだ。(文:石建勲・本紙特約論説員、同済大学財経研究所所長、同済大学経済・管理学部教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

 中国は提唱国として責任重大だ。AIIBは中国が積極的に提唱し、推し進めたものであり、中国色が濃厚だとある程度考えられていることは否定できない。これはAIIB設立に少数の国が反対した理由でもある。世界に公共財を提供し続け、アジアと世界のために一層の貢献を果たし、一層の責任を担うべく努力し、ウィンウィンの協力体制を構築し、アジアと世界の共同繁栄を実現することが中国が真に追い求めている目標だ。AIIBが包括性と開放性を備えることは、同時に調整の難しさも意味している。続くAIIBの規約制定、ガバナンス機構・体制、マネジメント・イノベーションの設計において、AIIBはいかにして世界銀行やアジア開発銀行など既存の国際開発銀行の優れたやり方を十分に参考にするか。いかにして一致して非難されるやり方を避け、国際的に通用されるルールにのっとって有効なガバナンスと運営を実現し、国際開発銀行の最良の実践の創造に努力するか。この過程において、提唱国である中国は引き続き知恵を出し、各国の利益をうまく調整し、57カ国の創設メンバーの権利と利益がいずれも尊重され、実現されるよう努力する必要がある。

 AIIBは責任重大だ。世界経済が依然低迷し、アジアのインフラ融資需要が大きい現状の下、AIIBの設立および有効な運営はこの地域にとってコネクティビティの強化を加速し、自己発展能力を強化し続けるものであり、経済発展の長期的原動力となり、アジア経済成長の原動力たるインフラ整備を堅固にするだけでなく、アジア資本の利用効率および地域発展への貢献水準を高めることにもなる。また、世界の総需要の拡大にも寄与し、世界の景気回復を促進する。AIIBは国際通貨制度改革を促進し、国際経済・金融ガバナンス体制を完全なものにするという重任も担っている。これには57カ国の創設メンバーと加盟国の共同努力が必要だ。

 世界と太平洋にはAIIBと他の国際金融機関の共同発展を受け入れるだけの広さがある。アジアのインフラ整備は膨大な市場潜在力を備える。AIIBおよび「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の建設はいずれもゼロサムの制度ではなく、高度に開放されたものであり、その中で各国の利益の多元的な融合を繰り広げることができる。国際通貨制度の新たな事物であるAIIBの今後の道が順風満帆であることはあり得ない。1つには、AIIBが主に融資するインフラ整備事業は金額が大きく、期間が長く、利益が低い事が多いうえ、政治的リスクも少なくなく、安全環境が変化しやすい。AIIBが多くのインフラ事業の中でいかに取捨選択し、各国のニーズのバランスを取るかは大きな試練だ。もう1つには、AIIBは国際金融機関の最良の実践を創造し、参加国がいずれも満足できるように努力する必要があり、調整が難しい。これ自体が1つの挑戦であり、知恵だけでなく、開放と包括の心および協力・ウィンウィンの理念が必要であり、実践の中で模索し、すり合わせ、完全なものにし続ける必要がある。世界はAIIBの模索とたゆまぬ整備の過程に対して必要な寛容さを持つべきだ。(編集NA)

 「人民網日本語版」2015年4月16日

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