日本経済新聞社とテレビ東京が17~19日に実施した世論調査では、集団的自衛権の行使を容認する安保関連法案の今国会での成立について「賛成」は29%に過ぎず、「反対」が52%に達した。米軍普天間基地の辺野古移設については「現行の計画通りに推進すべき」は36%にとどまり、「見直すべき」が47%に達した。また、原発再稼働については「進めるべき」は30%にとどまり、「進めるべきでない」が58%だった。それだけでなく、毎日新聞社が18~19日に実施した世論調査でも同様の傾向が見られた。人民日報が伝えた。
安保関連法案問題、沖縄の米軍基地移設問題、原発再稼働問題のいずれもが日本国民の生活に密接に関係する。日本政府はこうした問題の方針決定において民意を十分に尊重すべきだが、実際の状況は憂慮すべきものだ。
自民党の高村正彦副総裁は13日、「5月中旬に安保関連法案を国会に提出したうえ、成立に向けて会期を延長すべきとの論調が党内で形成されている」と述べた。今国会の会期は6月24日までだが、日本の政府と与党は会期を1カ月延長して法案を成立させる考えだ。昨年6月30日夜、日本国民1万人以上が首相官邸前で集会を開き、集団的自衛権の行使を容認する翌日の閣議決定を阻止しようとした。国民の強い反対にもかかわらず、現与党は国会で多数議席を占めているため、日本の前途に関わるこうした重要法案は再び強行可決され、民意は再び無情にも踏みにじられるだろうと現地アナリストは憂慮する。
「安倍内閣支持率は50%の安定状態にあるが、これは日本国民が安倍政権を支持しているということではなく、日本の選挙制度や他の政党の問題がそうさせているだけだ」と日本の内田雅敏弁護士は人民日報の取材に語った。世論調査の結果は安倍内閣の推し進める重要政策が民意と相反することをはっきりと示しており、これは「自民党は支持したくないが、野党も重大な政策で党内合意の形成が難しく、信頼できない」との政治の現状に対する日本国民のどうしようもない思いを反映しているとの分析もある。
琉球大学名誉教授の高島伸欣氏は人民日報の取材に「安倍内閣は国民の反対を顧みず集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を強行し、今また安保関連法案を成立させようとしている。これらはいずれも日本国憲法第9条の精神に反する」と述べた。日本の一部の学者は安倍政権の推し進める政策の危険な本質を早くから意識していたが、今回の世論調査は安倍政権の危険性に対する国民の懸念もはっきりと示した。一橋大学の田中宏教授も人民日報の取材に「今回の世論調査の結果は安倍首相の政権運営の現状に不満を抱く日本国民が増えていることを反映している」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年4月21日