■「キャプテン翼」を超えられるか?
サッカーを題材にした映画・ドラマが集中的に現れたのは、サッカー人気に乗じて、視聴者を獲得したいという意図があるのは間違いない。だが、これとは逆に面白い映画・ドラマがサッカーを広めるのに積極的な効果を及ぼすこともある。その典型的な例は、日本の漫画・アニメ「キャプテン翼」だ。
80年代生まれの多くの人が、中学時代に「キャプテン翼」を見たことがあるはずだ。サッカー日本代表がワールドカップで優勝をするというストーリーは当時かなり無理のある設定だったが、主人公の大空翼がドライブシュートを決めると、熱く興奮していた。
日本では、「キャプテン翼」は誰もが知っている。中田英寿、小野伸二、香川真司など、日本のスタープレイヤーもかつて、この漫画を読んだことでサッカーの道に進んだと語っている。英紙デイリー・メールも、アレッサンドロ・デル・ピエロやフランチェスコ・トッティ、セルヒオ・アグエロといった世界的に有名なサッカー選手が少年時代にこの漫画の影響を深く受けたことを報じている。日本が世界のサッカー強豪国になる過程において、「キャプテン翼」は不可欠なものとなっている。
当然、「キャプテン翼」の成功は特殊な歴史的な背景も関係している。現在の中国に大量に出現しているサッカー映画・ドラマとは本質的な違いがある。しかも、プロサッカーが現在のように発展した状況で、さらにメディアの発展レベルなどの要素を加えると、映画やドラマで中国サッカーを奮い立たせたいと思っても、ハードルはあまりにも高すぎる。サッカーファンからの突っ込みや常識的な間違いがなければ、すでにサッカーを題材にした映画・ドラマとしては成功と言えるだろう。
(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年4月23日