海外で中華料理店の経営などに携わっている華僑・華人が集まり、海外で中華料理が生きる道について意見を交換する研修会イベントがこのほど、北京で開催された。中国新聞網が報じた。
日本人の中国に対する見方を変えた中華料理
同イベントで、青森県青森市のレストラン「小青島」のオーナーシェフである喬俊和さん(日本中国料理協会青森支部の技術委員長)は筆者に、中華料理を通して、日本のある高齢男性の中国に対する見方が変わったというエピソードを語ってくれた。
「ある日、レストランをオープンさせると同時に、高齢の男性が食事に来られ、『中国人は日本人のことを“小鬼子”と呼んでいるらしいね。この店の名前も、“小青島”だけど、軽蔑する意味を含んでいるのか?』と皮肉っぽく聞かれた。私は少し考えて、『“小青島”にはいろんな意味が込められている。まず、“小”は、謙虚さや愛しさを表している。私の実家がある山東省青島市にも、“小青島”という地名があり、私の故郷に対する思いもこの名前に込めている』と説明した。すると、その男性は笑いながら戻って行かれた」。
「それからの1週間、その男性は毎日来られ、1日に1品これまでに食べたことのない中華料理を注文された。1週間後、その男性は、『中国人がこんなにおいしい料理を作れるとは思ってもみなかった』と言われたので、『これまでに食べられた中国料理は、ほとんど日本人が作ったもので、本当の中華料理を食べる機会がなかったのだと思う。本当の中国と日本の歴史をまだご存じないと同じように』と答えた。そして、中国人の人となりについて説明し、中日関係の問題についても語り合った。その男性は、少しずつ、中国に対する見方を変化させ、中国人の立場に立って考えたり、歴史を思い返したりされるようになった」。
「小青島」のような、海外の多くの中華料理店が、現地の人々が中国について理解するための「窓」を開けているのだ。