2015年6月3日  
 

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日本の書道家が深く愛した中国の伝統思想 (2)

人民網日本語版 2015年05月08日10:04

青山氏の子息、青山慶示氏を訪ねた際に、杉雨氏の書斎にある蔵書を拝見させてもらった。青山慶示氏は今も東京世田谷区の青山杉雨氏が残した古い邸宅に住んでいる。

青山慶示氏と腰を下ろしておしゃべりに興じた。

父親の蔵書や創作の話題に触れた時、慶示氏は杉雨氏を偲ぶ西島慎一氏と高橋利郎氏の共著本を取り出して、本の中に掲載されている古い写真を見せてくれた。「この本には父親と中国との間の多くの交流が綴(つづ)られている。晩年は1、2年に1度は必ず中国を訪れ、旅行記『江南游』を執筆したこともある。父親は中国の文人の思想や生活スタイルが非常に好きだった。上海中国画院とも交流があり、上海市松江区に行って、董其昌の遺跡を訪ねたこともある」と思い出を語った。

青山杉雨氏の書斎に入ると、大きくも狭くもない書斎の中に中国文化の要素がいたるところに見られた。

書棚には中国の書画史を代表する書家の書法集(二王から、顔魯公、欧陽詢、蘇軾、黄庭堅、米芾、董其昌、王鐸、呉昌碩、斉白石)が数多くあり、すぐ側にある机の書棚にも全集「中国の歴史」(日本語版)、「中国文化史跡」「中国文化叢書」「中国地理叢書」「魯迅全集」や陶淵明、王維から清代の龔自珍、黄遵憲などの詩集が並んでいた。明らかに、青山杉雨氏は「技量は書の外に存在する」と言われる書の精神を見事に会得していた。恐らくこれが、その書が一般の日本人より詩文の教養を持った要因なのかもしれない。


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