国家統計局が9日に発表したデータによると、2015年4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.5%上昇し、前月比では0.2%低下した。一部の食肉・野菜商品の価格に小幅の変動がみられたが、市場には今後のCPIの前年同月比上昇率は小幅ながら拡大するとの見方が広がっている。
同局都市社会経済調査司の余秋梅シニア統計士は、「4月のCPIが前月に比べてやや低下したのは、主に生鮮食品の価格低下の影響によるものだ。季節が春・夏に向かい、気温が上昇して、果物や野菜が市場に大量に出回るようになり、前月と比べた価格は果物が3.5%低下し、野菜が3.2%低下した。卵、水産品、豚肉には十分な供給があり、前月比価格は卵が5.6%低下、水産品が1.1%低下、豚肉が0.8%低下した。以上5項目の影響で前月比CPIは0.30ポイント低下し、これはCPI全体の低下率を上回る数字だ。
今年1~4月の前年同月比CPI平均上昇率は1.3%だった。今後も「1%台の時代」は続くだろうか。
寿光野菜指数センターの王瑕アナリストは、「物価変動に対する影響が明らかな商品の価格をみると、5月の気温上昇にともない、野菜の栽培期間が短くなっており、価格はさらに低下することが予想される」と話す。
中国交通銀行の連平チーフエコノミストは、「国際的な環境をみると、最近は大口商品の価格が下げ止まって安定に向かい、原油価格は小幅の反転上昇となった。外部環境全体からくるデフレ圧力には緩和の兆しがみえている」と話す。
中国人民銀行(中央銀行)が8日に発表した「2015年第1四半期(1-3月)中国金融政策執行報告書」によると、今年3月末時点の広義マネーサプライ(M2)残高は127兆5千億元(1元は約19.4円)で前年同期比11.6%増加した。全体的にみると、通貨の増加ペースは予想された目標値に近い範囲で動いているという。交通銀の鄂永健シニア金融アナリストは、「第2四半期(4-6月)と第3四半期(7-9月)のCPIの持ち越し効果が年内にピークを迎えるだろうことを考えると、今後しばらくの間、CPIの前年同月比上昇率は小幅に拡大することが予想される」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年5月12日