中国国家統計局はこのほど、全国31省(自治区・直轄市)の1月のCPI(消費者物価指数)を発表した。統計データによると、全国各地の1月のCPI上昇率は軒並み反落し、多くでここ数年の最低を記録した。このうち、山西省、内蒙古自治区、浙江省はゼロ成長、陝西省はマイナス成長となった。分析によると、物価上昇率は今後も低レベルで推移する見通しで、今年の物価目標はやや調整される可能性がある。中国新聞網が伝えた。
●CPI、3省がゼロ成長。1省がマイナス成長
国家統計局の統計データによると、2015年1月の全国CPIは前年同期比0.8%上昇、上昇率は2009年11月の0.6%以来、初めて1%を割り、ここ5年の最低となった。
地域別にみると、全国31省(自治区・直轄市)のCPI上昇率は軒並み反落、18省では前年同期比1%を割り、多数の省でここ数年の最低をマークした。たとえば、北京の1月のCPIは前年同期比0.4%上昇、上昇率は2010年2月以来の最低を記録した。
山西省、内蒙古自治区、浙江省の3地では、1月のCPI上昇率はゼロ、陝西省では0.1%低下とマイナス成長となったことは注目に値する。このような現象は、ここ数年見られることはなかった。
31省のうち、1月のCPI上昇率が最も高かったのは青海省で、2.5%上昇した。西蔵(チベット)自治区がこれに続き2.2%上昇。上昇率が2%台だったのは、この両地だけだった。
●今年の物価目標、調整の可能性
市場では、総じて、CPI上昇率は今後も低レベルで推移するだろうと予想されている。交通銀行首席エコノミストの連平氏は、「経済の内生的需要に乏しく、最近の物価上昇エネルギーが少なく、食品・非食品価格ともに、春節(旧正月)中大幅に上昇しなかったことから、2月のCPI上昇率も、1%前後の低レベルになるだろう」との見通しを示した。
連平氏は、年間の物価動向について、「2015年のGDP成長率は、穏やかに鈍化すると予想される。また、その影響を受け、ブタ肉など農産物の周期的な価格上昇幅も大幅に狭まり、今後、食品価格が大幅に上昇し、物価を底上げする可能性は非常に少ないと予想される。従って、2015年のCPI上昇率は、2014年を下回る見通しだ」と指摘した。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年3月4日