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中国は世界最大の石油輸入国に 外貨資産が産油国に流入か (2)

人民網日本語版 2015年05月15日08:09

「1ベルト、1ロード」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)の旗艦プロジェクトである「中国・パキスタン経済回廊」の建設も進められている。建設の重心はインド洋に面したグワーダル港で、地理的に中東に近く、将来は中国に通じる高速道路、鉄道路線、石油・天然ガスパイプラインが建設される見込みだ。

また中国とロシア、中央アジア諸国は、石油・天然ガス資源の開発やパイプライン輸送をめぐる多くの重要プロジェクトに調印しており、これは実際、中国のエネルギー供給源をより多元化することにつながる。

だが中国の石油の安全保障を確実なものにするための最も根本なことは、おそらく次の3点だ。第一に、中国国内で新たにエネルギーが発見されるかどうかという点だ。米国が「輸入世界一」の看板を下ろした最大の原因は、米国で新たにエネルギーが発見されたからだ。特にシェールガスやシェールオイルといった「エネルギーの革命」と呼ばれるエネルギーが大量に採掘されるようになったからだ。米国はここから巨額の利益を上げただけでなく、米国のエネルギーの安全保障のレベルを極限まで高めることができた。

第二に、国際市場の供給をできるかぎり保証するにはどうしらよいかという点だ。そのためには巨大な戦略的石油備蓄庫を建設する必要がある。米国の戦略的石油備蓄は150日分あり、世界の標準は90日分だが、中国は60~70日分とみられている。現在、原油価格は上昇しているが、それでも歴史的にみれば低水準にある。備蓄庫の建設を加速させ、石油備蓄の増加を加速させることが、今なお急務といえる。

第三に、より環境にやさしく石油を使用できるかどうかという点だ。中国のディーゼルオイルやガソリンは値段が安くないにも関わらず、品質の点で欧米の製品にかなり劣っており、汚染もより深刻であることは否定できない。石油製品をより環境にやさしく使用し、代替エネルギーを見つけ、二酸化炭素(CO2)や煙霧の排出をできる限り少なくすることは、地球の気候に影響するだけでなく、私たち自身の生活の質にも関わることだ。

石油は最も重要な大口商品であり、戦略物資であり、原油価格は目下低迷している。中国にとってこれは千載一遇のチャンスだ。とはいえ、世界一の石油輸入国になった中国が抱えるリスクは大きく、エネルギー問題をめぐる長期的な計画がぜひとも必要になる。(編集KS)

「人民網日本語版」2015年5月15日


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