北京故宮が今年6月中下旬から入場者制限措置を再び取ることがわかった。一日の入場者数は延べ8万人に制限される。故宮博物院が14日記者に明らかにしたところによると、故宮は「国際博物館の日」の18日、入場者制限措置の詳細を公開する見通しだ。措置実施は6月中下旬からとなる。京華時報が伝えた。
「本当はできるだけ多くの人に故宮の文化を知ってもらい、故宮の文化財や建築を見てもらいたい。しかし故宮の訪問者数を無制限に増やすわけにもいかない。文化財や入場者に潜在的リスクを与えることになるからだ」。まもなく起工となる故宮北院エリアで14日、故宮博物院の単霽翔院長が明らかにしたところによると、一日の入場者数延べ8万人の制限措置は現在、関連部門との最終的なすり合わせが行われている。6月中下旬に実施することは決まっており、具体的な実施案は18日の「国際博物館の日」に正式に発表される。
故宮の入場者数制限措置が再び話題になってからしばらくが経つ。今年のメーデー(5月1日)連休に実施という情報もあったが、結局実現しなかった。故宮で入場者を制限することはそれほど複雑な作業なのだろうか。単院長によると、故宮側はできるだけ早く実施したかったが、入場者制限はシステマティックなことであり、制限を宣言してすぐその日に始められるものではない。
「制限を宣言してもその日に11万人、さらに多くの人が来れば、数万人が事前の通告なしに入れなくなり、これに対して説得力のある説明もできない。こちらの対応も後手に回り、入場者制限自体が失敗する可能性もある」。単院長によると、故宮は2008年、入場者制限の措置を試みて失敗した経験がある。入場者制限には細かい計画を練り、実施に対する社会一般の十分な理解と支持を得ることが必要となる。
単院長によると、故宮博物院は昨年から入場者制限向けに一連の準備作業を行ってきた。昨年9月2日には自動券売・改札システムが導入され、この機能は現在も強化され続けている。実名入場制の導入も計画されており、設備の整備が進められている。新たな多機能標識540カ所も設けられ、その多くは電子化されている。見学者はこの標識を頼りに、自分の位置や近くの展示、新開放のエリアなどの情報をいつでも得られることになる。故宮内の放送システムや展覧ガイドシステム、自動解説システムなどの整備も進められており、「6月中下旬には正式に実施できる見通し」だという。(編集MA)
「人民網日本語版」2015年5月18日