中国の教育データコンサルティング機関である麦可思研究院がこのほど、2015年度版就職青書を発表。本科(4年制大学)卒業後の失業リスクが高く、就職率、収入、満足度などが低い専攻学科は、生物工学や美術学、生物科学、応用物理学、応用心理学、法学、ミュージック・パフォーマンスなどだった。うち、法学、生物工学、美術学は、前年度も失業リスクが高い専攻学科に入っていた。北京日報が報じた。
経営学の就職率が最高
14年度の本科生のうち、卒業半年後の就職率が最も高かった学科は経営学(93.4%)。一方、最も低いのは法学(88.4%)だった。また、専攻のうち、就職率が最も高かったのは看護学系(97.0%)だった。看護学系は、2年連続で就職率トップ3に入っている。一方、最も低かったのは法学系(87.0%)。法学系は3年連続でワースト3位に入っている。今年の就職率の変化を見ると、本科の学科のうち、医学や文学、農学の卒業半年後の就職率が右肩上がりになっている。高職(高等職業学校)、高専(高等専科学校)のうち、材料・エネルギー系、製造系、財経系、土木建築系、電子情報系、文化教育系、医薬・衛生系、芸術・デザイン・メディア系などの卒業半年後の就職率も右肩上がりになっている。
起業する卒業生が増加
起業や進学を選ぶ大学卒業生も増加している。 14年度の大学卒業生の起業率は2.9%で、13年度(2.3%)と比べて0.6ポイント、12年度(2.0%)と比べて0.9ポイント上昇した。ここ3年の傾向から、卒業後に起業する卒業生が増加していることが分かる。中国国家統計局の「2014年国民経済・社会発展統計公報」は、本科と専科の卒業生を659万4千人と試算しており、14年度はうち19万1千人が起業したことになる。起業の主な理由は、「起業家が夢」、「魅力的なプロジェクトがある」などだった。うち、機会型(社会型)起業が全体の85%を占めた。起業への意識作りが、大学卒業生の起業率を向上させる効果的な方法となっている。
時間の経過とともに、大学卒業生の起業率は上昇し、大学卒業から3年以内に起業する人も多い。例えば、11年度の大学卒業生の卒業3年後の起業率(5.5%)は、卒業時の2.4倍に上昇している。うち、本科卒業生の3年後の起業率が2.3倍、高職・高専の卒業生は2.5倍に上昇している。