中国民間対日賠償請求連合会は1日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産への登録を認めないよう求める書簡を投函した。「明治日本の産業革命遺産」を世界遺産に登録するかどうかについては、7月3日、ドイツで行われる世界遺産登録委員会で審議・決定される。新華網が伝えた。
中国民間対日賠償請求連合会の童増会長は、「第2次世界大戦中の犯罪行為を反省し謝罪することを前提に、日本は明治産業革命遺産の世界遺産登録の申請を行ったが、ユネスコの『世界の平和と安全の維持(安全保障)』という活動目的に背くだけでなく、第2次世界大戦で日本の侵略の被害を受けた国の利益を侵害するものだ」と述べた。
1990年代、強制労働に徴用された労働者から247通の手紙を受けとった中国政府は、明治産業革命遺産の施設を所有する企業の犯罪行為について告訴した。これらの手紙のうち7通は、1日、ユネスコ本部とユネスコ北京事務所に送られた。
「明治産業革命遺産」の正式名称は、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」で、岩手県、静岡県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県の計8県にある計23施設で構成されている。施設には、長崎県の三菱長崎造船所、福岡県の三井三池炭鉱、福岡県の官営八幡製鉄所などが含まれている。
童氏は、「明治日本の産業革命遺産を世界遺産に登録することは倫理と人権に背くものだ。第2次世界大戦中、日本の多くの企業や工場では非倫理的な方法で中国に渡って鉱物資源を奪い、その材料で製造した武器で侵略を行い、さらに非人権的に中国の一般市民を日本に強制連行し、極めて悪劣な条件下で無償の労働を強いられた」と指摘する。