「大学生の起業」は新鮮味のある話題ではないものの、中国の求人サイト「智聯招聘」がこのほど発表した調査結果によると、大学生の起業で、最も人気なのは、「科学技術」や「金融」などハイテク関連ではなく、「テイクアウト・デリバリー」という分野だったことが注目を集めている。新京報が報じた。
12日,智聯招聘のCEO・郭盛氏は12日、「中国とグローバル化ラウンドテーブルフォーラム2015」において、「当社の統計によると、一年前大学生全体の3.2%を占めていた起業希望者が現在は6.4%に増えている。中でも、最も人気なのが『テイクアウト・デリバリー』」と明らかにした。
起業希望の大学生が2倍に
智聯の調査によると、一年前大学生全体の3.2%を占めていた起業希望者が現在は6.4%に増えた。大学卒業者100のうち、6人が起業を検討している計算になる。
統計によると、大学生の60%が起業や就職する際、「市場」や「商品」についてではなく、まず「政府のどんなサポートがあるか」を考える。一方、米国、ドイツ、日本、イスラエルなどの国におけるイノベーション・起業の現状は異なる。郭氏は、「全ての人がどんな政府の優待政策があるのかを考えているのなら、赤信号がともっていることになる」との見方をしめす。
テイクアウト・デリバリーが人気
どんな分野で起業したいかに関して、智聯の調査によると、大学生に最も人気があるのが「テイクアウト・デリバリー」の分野。大学生の60%が、もし起業するならまずこの分野を選ぶと答えた。
テイクアウトO2O(Online To Offline)の分野において、中国の飲食デリバリーサイト「餓了么」( ele.me)の起業ストーリーは、今の大学生の願いを代表している。「餓了么」の創始者・張旭豪は、上海交通大学の修士課程で学んでいた時、同分野における商機を探し求めていた。データバンク・易観智庫の調査によると、2015年の1-3月期、「餓了么」が、テイクアウト市場の注文額の40.07%を占め、同業界でトップだった。しかし、「現在、テイクアウト市場に参入したいとしても、最も良い時期は過ぎた」とするアナリストもいる。
智聯招聘の統計によると、就職が最も難しいのは、金融や言語系を専攻している大学生で、郭氏は、「興味深い現象。学生を呼び込むために、モダンな学位が設置されるようになっているが、実際にはそのような学位は必要ないかもしれない」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年7月15日