上士幌町は北海道の中部に位置し、面積は約700平方キロメートル、人口は5千人足らずの、土地が広く人が少ない地域で、農業、畜産業、観光産業が主要産業の小さな農村だ。竹中貢町長は、「経済が相対的に単一で、出生率が低下し、2014年の町税収入はわずか6億2千万円、その他の収入は5億8千万円だった。中央政府から地方政府への交付金が27億円あっったが、支出は61億3千万円で、非常に厳しい財政状況だった」と話す。
2008年にふるさと納税制度がスタートすると、同町は「都市と農村の交流」を積極的に強化。14年に集まった寄付は9億7400万円で、最も主要な収入である町税の150%に相当し、同町にとって非常に重要な財源となった。
同町政府はふるさと納税を利用して優れた教員を招き、小学校、中学校、高校の教育と保育園の建設を強化した。また「子育て少子化対策夢基金」を設立し、寄付のうち7億7900万円を近代的で幼児教育の専門家がそろった質の高い幼稚園を設置し、町民の子どもが無料で利用できるようにした。
日本の総務省が発表した統計データによると、ふるさと納税の寄付金額が年々増加し、12年には649億円に達しており、ふるさと納税は発展から取り残された遠隔地の財政にとって重要なものになりつつある。また地域の格差を縮小し、遠隔地の農村の発展を促進する上で重要な役割を果たしている。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年8月12日