日本企業の模範とされてきた東芝が、140年の発展史上最悪の危機を迎えた。先日、東芝は過去7年間の利益水増し額が1562億円に達したと発表、田中久雄社長、佐々木則夫副会長、西田厚聡相談役など取締役が辞任した。「東芝スキャンダル」は2011年に発覚したオリンパスの17億ドルの損失隠しの後、日本企業にとって最大規模の不正会計スキャンダルとなった。この事件を受け、日本国内ではコーポレート・ガバナンス(企業統治)を見直す動きが出てきている。人民日報が伝えた。
異常な利益至上主義
東芝の不正会計事件は、側面から見ると日本の電子産業の転換期における焦慮を反映している。2008年の金融危機後、ソニーやパナソニック、シャープ、東芝といった日本の電子産業の巨大企業はそろって赤字に転落、その後各社は一連の構造調整を展開し、東芝は2009年にV字型の業績回復を実現した。しかし、2011年の東日本大震災後、円高や原子力発電業務の停止などの影響を受け、東芝は新業務の開拓と既存の利益確保の狭間で苦闘し、田中久雄社長が就任時に提示した「2007年を超える」という売上目標を達成できずにいた。
第三者委員会によると、2008年度第3四半期の業績発表前、「184億円の赤字の見込み」を知らされた当時の西田厚聡社長は、「こんな数字は恥ずかしくて発表できない」としてこの数字を5億円に改めた。
共同通信によると、2009年に西田氏を引き継いだ佐々木則夫新社長は、非現実的目標を習慣的に提示し、第一線で働く職員に対し収益改善に向け厳しい口調で迫っていたという。佐々木氏が社長を務めた2012年度、東芝の利益水増し額は史上最多の858億円に上っていた。
また「フィナンシャルタイムズ」は、多くの日本企業の理事会を担当した経験をもつ弁護士の話として、利益至上主義や売上目標達成に圧力をかける手法は東芝特有のものではないと伝えた。