「我知女人心」ポスター
IP(intellectual property:知的財産権、分かりやすく言えば著作権)は映画誕生のずっと前にすでに始まっていた。第七芸術として1985年に出現した映画は文学、戯劇、音楽など昔の芸術スタイルを参考にしている。張芸謀(チャン・イーモウ)を例にとると、彼は過去にベルリン映画祭金熊賞、ヴェネツィア金獅子賞、カンヌ映画祭の審査員賞を獲得した1987年の「紅高梁」、1992年の「秋菊打官司」から1994年の「活着」1999年の「一個都不能少」まで全ての受賞作品は文学作品によりリメイクされている。
「『人在囧途」(ロスト・オン・ジャーニー)『十二公民」(12シチズン)は優れた国産リメイク作品だ」と中国伝媒大学の索亜斌教授は話す。そして「現地化がリメイクが成功するか否かの評価基準」という。「人在囧途」は「春運」(春節<旧正月>期間前後の帰省・Uターンラッシュに備えた公共交通機関の特別輸送体制 )という中国の特色を持つ社会現象と相まって、社会的地位が全く違う2人の主人公に代表されるように、彼らの間の矛盾や衝突は目下中国社会の現実でもある。
太合娯楽文化発展有限公司の張逸松総経理(社長)によると韓国や日本などアジア地域の映画をリメイクするのは成功する可能性がより大きいとし、「どのみち、彼らは中国伝統文化の影響を受けたことがあり、感情や社会問題に共感でき、観衆が切符を買って観に行きたくなるような興味のポイントも比較的近いところにある」と話す。こういった地域的差異を避けて通れないのはリメイクの最大の問題だと言える。同様の考え方を持つ索教授は「我知女人心」を例に挙げ「オリジナルに90%以上忠実な作品で、劉徳華(アンディ・ラウ)、鞏俐(コン・リー)のような良い役者がいて、撮影のレベルも悪くなかったが、中国の事情とかけ離れており、中産階級の良好な生活条件を反映させているため多くの観衆は共感しない」と話した。(編集JK)
「人民網日本語版」2015年9月15日