アップルは10日、iPhone 6s、iPad Pro、カラーバリエーションの増えたApple WatchやApple TVなど5つの新製品を発表した。しかし、欧米メディアはこの日、「今回のアップル新製品発表会がサプライズをもたらすことも、投資家の心を揺るがすこともなかった」などと伝えた。業界の先を行くアップルだが、その新製品は次第に話題性に乏しくなってきている。近年世界のスマートフォン製造メーカーの技術的差はますます縮まっており、次に突破すべき技術を誰もが捜し求めている状態にある。環球時報が伝えた。
今回アップルが重点的に披露した商品はiPhone 6sだ。6s と6s Plusのサイズは現在の6、6 Plusと同じだが、撮影と速さの面で強化がなされ、新たなカラーバリエーションが加わり、3Dタッチ技術が搭載された。米「ウォールストリートジャーナル」は、新型iPhoneの主な新機能はタッチの力加減の違いをキャッチする3Dタッチ技術だと指摘している。例えば、タッチの力加減で、自撮り、プレビュー、メールの閲覧など異なる操作をすることができるというもの。
アップルの発表によると、今月12日よりiPhone 6sとiPhone 6s Plusの予約受付を開始し、25日から正式に販売を開始する。第一陣の同時販売地域にはアメリカ、中国、日本が含まれる。
この他、アップルは12.9インチスクリーンの大型タブレット「iPad Pro」と新型のセットトップボックス「Apple TV」を発表している。新型iPadには専用キーボードと99ドルのスタイラスペンも登場、Apple TVは加速度センサーを搭載し、AppStoreやSiri に対応している。市場と投資家にさほど大きなサプライズを届けられなかったためか、当日のアップル終値は1.9%下がって110.15ドルとなった。ロイターは、こうした株価の動きは近日新製品を発表したすべての企業に見られると指摘している。
ICT業界の著名なアナリスト周彦武氏は、アップル社の今回の新製品は技術面での突破が少なく、メディアの注目度も低いと指摘する。「今回はカメラをグレードアップしたが、依然としてソニーが提供したカメラ。ボディもグレードアップされたがそれは台湾の鸿准と可成が提供したもので、少し強度が増しただけでグレードアップしていないに等しい。スクリーンにグレードアップが見られなかったのはサプライヤーのLGとJDIに大きな技術革新がなかったためで、バッテリーにグレードアップがなかったのもサムソンとTDKに新たな製品がなかったため」。