オランダの発明家、Daan Roosegaarde氏は数年前に北京を訪れ、この歴史ある古都の大気汚染状況にショックを覚えた。Daan氏は帰国後、アトリエのメンバーと一つのアイデアを思いついた。大気中の煙霧を集め、特殊な装置で加工し、この汚染物質を宝物にするというのだ。この指輪を一つ購入するたびに、都市の1000立方メートルの大気を浄化したことになる。中国青年網が伝えた。
Daan氏のチームは数日前、イオン浄化技術を使い、都市全体の大気を浄化する「掃除機」、大気浄化塔を作り出した。この装置は1時間毎に3万立方メートルの大気を浄化できる。汚染された大気を取り込み、浄化してから送り出す。
この装置は何も摩訶不思議な原理を採用しているわけではない。病院内で普遍的に使われている、イオン技術に基づく浄化装置だ。Dann氏とチームは軽量の材料とLED装置を使い、大気中のPM2.5をキャッチしている。
これらの微小粒子状物質の42%は炭素で、ダイヤモンドも炭素からできている。Dann氏はこの炭素を凝縮することで黒い宝石を作るという大胆な構想を打ち出し、クラウドファンディングのキックスターターを使い、「大気浄化塔の共同建設」というプロジェクトを発表した。5ユーロを出資するだけで、大気浄化塔が集めた微小粒子状物質で出来た「宝石」を使った指輪を予約購入できる。1個の「ダイヤモンド」を作るために、1000立方メートルの大気を浄化しなければならないという。
現時点で1500人以上の人から11万ユーロの出資金が集まっている。世界各地の人々はDaan氏のプロジェクトに興味を示し、国連環境計画も大気浄化塔について報じたほどだ。
Daan氏は、「煙霧を作り出すのではなく、煙霧を解消するため人々が貢献できるようになればと思った。煙霧を使ったアクセサリーは、人々に向け警鐘を鳴らすことができる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年10月16日