韓国の聯合ニュース社の12日付報道によると、中国の民用航空産業ではここ数年、パイロット需要が爆発的に増加し、パイロットを確保するため、手厚い待遇をうち出している。これに心を動かされて転職する韓国人パイロットがますます増えているという。新華網が伝えた。
▽旺盛な需要 高い給与
韓国国土交通部がまとめたデータによると、今年1~7月、韓国トップの航空会社・大韓航空のパイロットの離職者数は42人で、2014年の26人と14年の27人を上回った。もう一つの大手・アシアナ航空は29人で、13年は24人、14年は31人だった。
業界関係者の話では、離職者には中国以外の国の航空会社に転職した人もいるが、大多数の転職先は中国の航空会社だという。
聯合ニュース社の報道によると、業界の推計では、米国ボーイング社が今年製造・引き渡しする旅客機のうち、中国市場向けが約4分の1を占め、今後数年でこの割合はもっと上昇し、パイロット不足が深刻になるという。業界では、中国の航空会社には即戦力となるパイロットを1度に10人以上も採用しようとするところもある、との情報も聞こえてくる。
同部の関係者は、「近年、格安航空会社(LCC)が多数市場に参入し、中国ではパイロットの需要が拡大を続けている。中国はすぐにフライト業務に従事できるパイロットを必要としており、両国の文化的な共通項や韓国人パイロットの質の高さを考えると、韓国人パイロットというのはかなりよい選択だといえる」と話す。
高まる需要を背景に、中国の航空会社はパイロット募集で「大枚をはたく」ことを厭わない。ある航空会社が最近サイトで発表した募集公告には、年収約30万ドル(約3594万6千円)とあり、これは若い韓国人パイロットの平均年収の約3倍にあたる金額だ。