算数は、中国では小学校低学年児童の基礎科目となっている。だが、山東省聊城市の某公立小学校は、数年前から、低学年(1年生・2年生)児童を対象とした算数の授業を廃止している。同校の校長は、「論理性が極めて強い算数の勉強は、決して低学年児童に相応しいものではない」と指摘した。この大胆な教学改革は、大きな議論を巻き起こした。中央放送網が伝えた。
山東省聊城市嘉明第一実験小学校は、2013年に算数の教学改革試行をスタートした。同校は、2つの試行クラスで生徒を募集、これらの2クラスの児童については、数学の授業を受ける時期を遅らせ、1年生と2年制の間は、算数の授業を行わないこととし、その代わりに朗読・国学・書道などの授業を実施した。これらの児童が算数の勉強を始めるのは、3年生になってからだ。試行開始から現在に至り、第一期の試行児童が3年生になって算数の授業を受け始めた。算数の授業がスタートして1カ月あまりが経ち、学校側と一部の親は、「算数の授業を受ける上で、何らかの不適応な現象は、2クラスの児童に現れていない」としている。
山東師範大学附属小学校で算数を担当している王文静先生は、「現在、小学校1~2年生を対象とした算数の授業は、『基礎固め』のための内容が中心となっている。主に数字や立体図形について知り、慣れ親しむことが、この年齢層の子供が算数を学ぶ重要な目的となっている。したがって、低学年児童向きの算数の授業は、必要な科目といえよう」と指摘した。
専門家も、「教育方法という点において、プロである教師の自主権は当然尊重されるべきだが、教育革新については、専門の評価を行う必要がある。教師が実践する革新は、無条件で何でもOKという訳ではない。主管部門は、動的な追跡調査と管理をしっかり行うべきだ」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年10月23日