レート改革について、元国家外匯管理局国際収支司の管濤司長は、「勢いの強い経済があってこそ勢いの強い通貨があり得る。最近のダブル引き下げ(金利と預金準備率の引き下げ)は経済成長の安定にプラスであり、レートの安定に向けた環境を作るものだ。現在のレートの安定ぶりもその他の改革に向けた良好な金融環境を作る上でプラスになる。長期的にみれば、レートの市場化が方向性であり、将来はより柔軟なレート政策を実施できるようになる」と話す。
▽改革は4業態に集中
馬チーフエコノミストは、「現在、中国の西部地域は金融包摂のレベルが低く、これから大きく発展する可能性がある。一般的に、金融包摂は貧困扶助が目的であり、膨大な中・低所得層に金融商品と金融サービスを提供し、正規の金融機関では貸出の支援を受けることが難しいが一定の収入源や返済能力をもつ層を対象に貸出の支援を提供するものとされている。第13次五カ年計画期間の金融改革は、金融包摂を重視し、より多くの貧困層と小規模・零細企業にサービスを提供するものとなる」と指摘する。
国務院の李克強総理は昨年9月に行われた世界経済フォーラムの夏季ダボス会議で、「大衆による起業、大衆によるイノベーション」をうち出し、それ以来、中国にはイノベーション・起業の一大ブームが起きている。資金調達難はあまたのイノベーション主体や起業家たちが直面する重要な問題であり、ベンチャー向け金融の開拓も中国の金融発展の重要な流れとなっている。馬チーフエコノミストは、「ベンチャー向け金融とはベンチャー企業の資金調達や冒険心に富んだ資本投資に一連の金融制度の刷新を提供するもので、起業家の資金調達難の問題の解決に力を注ぐものだ」と説明する。