J.P.モルガン・アジアパシフィックのNicolás Aguzin会長兼CEOはこのほどマニラAPEC会議の合間に人民日報の独占取材に応じ、中国のアジア太平洋経済先導と経済発展の展望について見解を述べた。人民日報が伝えた。
Aguzin氏は「世界第2の経済大国である中国は、アジア太平洋さらには世界の経済協力促進において決定的な影響を及ぼす役割を発揮している。ほぼ全ての国と地域が様々な形で中国と緊密な往来を維持しており、今や中国は世界の多くの国々にとって最大の貿易パートナーとなっている」と指摘。「こうした大きな背景の下、中国は引き続き二国間またはアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に類似した多国間の貿易協定、および『1ベルト、1ロード』など世界経済にとって有益なイニシアティブを通じて、さらに対外協力を拡大し、開放を促進し、世界経済の長期的で持続可能な発展を後押しする」と述べた。
Aguzin氏はJ.P.モルガンの見通しとして、海外進出戦略および「1ベルト、1ロード」イニシアティブの持続的推進に伴い、地域経済の成長に対する中国企業の促進作用は一層顕著になると指摘。「中国企業が生産コストのより低い市場に製造業を移転し、世界に業務を拡大し、新技術の導入を試みていることを、われわれはすでに目にしている。したがって中国は対外投資と貿易の成長の勢いを維持する」と述べた。
中国経済の成長ペースの鈍化という現状について、Aguzin氏は「これは主として中国経済が現在リバランスを進めているからだ。その目標はより持続可能な経済成長の実現だ。中国は消費、サービス、イノベーション主導型経済へのモデル転換の過程にある。このモデル転換は国内外の企業に様々なチャンスをもたらす。このリバランスを通じて、中国経済はエネルギー節約と環境改善をより重視するようになり、医療・保健、新エネルギー、新素材、教育、旅行、資産管理などの業種が一部の従来型産業を次第に上回るようになる」と述べた。
「中長期的に見て、経済の多元化水準の高まりは中国経済の発展を一層促進する。中国経済は持続可能な成長速度によって、引き続き世界経済において重要な役を演じると私は深く信じている」とAguzin氏は述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年11月20日