今回のAPEC会議のテーマは「あまねく広がる経済を築き、より素晴らしい世界を構築する」だ。習近平国家主席は18日、APEC・CEOサミットでの基調講演で「世界経済の激流や早瀬の中で、アジア太平洋という巨船は針路を正しくし、舵輪をしっかりと握らなければならない。アジア太平洋の各エコノミーは果敢に責任を担い、共に困難を乗り越え、世界の成長推進に努力しなければならない」と述べた。(文:王義桅・中国人民大学国際問題研究所所長、重陽金融研究院シニアフェロー。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
このため習主席は(1)改革・革新推進の堅持(2)開放型経済構築の堅持(3)開発アジェンダ実行の堅持(4)コネクティビティ推進の堅持――という「4つの堅持」を提言した。また、中国の経済情勢については5つの「一層の重視」を指摘した。これは第13次五カ年計画提言における「5大発展理念」の国際社会への説明と言える。▽効率と質の一層の重視▽イノベーション型駆動の一層の重視▽公平・公正の一層の重視▽(環境と成長の両立を目指す)緑色発展の一層の重視▽対外開放の一層の重視――だ。
この「4つの堅持」と「5つの一層の重視」は中国古人の「修身・斉家・治国・平天下」という理念を十分に示すものであり、修身・共栄・利天下であると理解できる。
修身は、各国自身の発展理念を高めることを強調する。第13次五カ年計画提言は、第13次五カ年計画期の発展目標を実現し、発展の難題を解決し、発展の優位性を十分に築くには、革新、協調、エコ、開放、共有という発展理念をしっかりと確立し、貫徹しなければならないと指摘した。そしてアジア太平洋経済の将来の発展についての中国の提言は、中国の成果に源を発し、「5大発展理念」の貫徹に源を発する。
共栄は、アジア太平洋地域が大家族であり、相互包摂・協力が必要であることを強調する。去年の北京APEC会議は、「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向けたAPECの貢献のための北京ロードマップ」を採択した。FTAAP構想は現在最も包摂的なアジア太平洋地域協力のイニシアティブだ。今年習主席はFTAAP構築を加速し、地域経済統合を推進する必要性を強調した。理論上、これはこの地域のTPP、RCEPおよびCJKなど様々な地域協力枠組を同時に受け入れることができ、真にAPECの大家族の共通の要求を体現し、アジア太平洋各国の共通の願いを反映する。事実が何度も証明しているように、中国はアジア太平洋協力の潤滑剤、エンジンだ。