高学歴者が「挫折」を経験しているのと同様、海外留学をして戻ってきた人も就職を有利に進めることができていない。英シェフィールド大学を卒業した郭培晶さんは帰国して就活をしているものの、「留学は加点材料にならず、中国国内での実践の経験がないのに、給料に対する要求が高いため、不利な状況が続いている。中国国内の大学卒業予定者に何度も『負けた』」と不調を嘆く。
求人企業「博士課程卒業者は高待遇を求め、合わない」
黒竜江省の万家宝鮮牛奶(投資)有限公司の人事マネージャーである程雨佳さんは、「同じ条件の場合、子供がいる人のほうが有利なのは、落ち着いていて安定しており、転職する確率が低いから」と説明する。
子供を持つ卒業予定者が就活において有利なのとは異なり、学部生の能力は博士課程卒業予定者におとるものの、実践性の強いポストでは、重宝されている。黒竜江大学政府管理学院の曲文勇教授は、「博士課程の卒業予定者は、高待遇を求める。しかし、博士課程卒業者が生み出す価値と、学部生が生み出す価値がそれほど変わらない業界もある。負担と成果の比率が合わないとなると、企業は博士課程卒業者を敬遠するようになる」と分析する。
能力のある人とない人が混在しているというのが海外留学をして帰って来た人が就活で苦戦している主な理由の一つ。国際関係学院(北京)就業指導センターの魏斌センター長は、「海外に留学する人が増加している。しかし、留学しただけで、実際には何の能力もない学生がいる。現在、企業は理性的になり、実力重視になっている。高待遇を求める海外留学者や博士課程卒業者より、実務的な人のほうが必要とされる」との見方を語る。
「人民網日本語版」2016年1月12日