中国キャリアロケット技術研究院の関係責任者は10日、同院が全体鋳造法を用い大型ロケット貯蔵タンク用フェアリングを開発したと発表した。これは大型ロケットの最大のボトルネックが解消され、今後の順調な開発の基盤を固めたことを意味する。中国は15年前後をかけて、推進力3000トン級の大型ロケットを開発し、2030年頃に初の打ち上げを実現することで、有人月探査と大規模な深宇宙探査に用いる予定だ。京華時報が伝えた。
ロケットの積載能力の大きさによって、宇宙での活動能力が決まる。中国現役ロケットの動力システムの最大直径は3.35メートル、「長征5号」の動力システムの直径は5メートル。大型ロケットは特大直径の構造体を採用する。うち直径が最大のフェアリングは、動力伝達の重要な部分で、強い力を受ける。
同院の関係責任者によると、従来のロケットのフェアリングは、各部分を溶接し作られていた。大型ロケットのフェアリングは直径が大きく、構造が特殊かつ複雑であることから、溶接の際に瑕疵が生じ、未来の宇宙探査に影響が生じることが予想される。そこで全体鋳造法が採用された。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年1月12日