中国人科学者は世界で初めて、ヒトの自閉症遺伝子を持つ霊長類を生み出した。MECP2遺伝子組み換えサルとその子供に、ヒトの自閉症と同じステレオタイプな行動、コミュニケーション障害などが見られた。この研究成果は、自閉症の原因と治療・干渉方法の模索に、重要な基礎を提供した。人民日報が伝えた。
ネイチャー誌(電子版)はこのほど、論文「MECP2遺伝子組み換えサルの自閉症に準じる行為の表象と種族の遺伝」を掲載した。中国科学院上海生命科学研究院神経科学研究所の仇子竜氏が率いる研究チームと、蘇州非ヒト霊長類研究プラットフォームの孫強氏の研究チームが共同研究を行った。ヒトの自閉症遺伝子「MECP2」を持つ遺伝子組み換えサルを生み出し、分子遺伝学および行為学の分析を行ったところ、ヒトの自閉症と同じステレオタイプな行動、コミュニケーション障害などが見られた。
自閉症の患者は、コミュニケーション障害、ステレオタイプな行動の反復、焦燥やうつといった行動・感情の異常が生じる。現時点では、効果的な薬物と治療方法が見つかっていない。仇氏は、「MECP2遺伝子組み換えカニクイザルは、MECP2重複症候群の霊長類のモデルとして、自閉症の原因と治療・干渉方法の模索の基礎を固めた」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年1月28日