中国財務部長「G20上海会議の共通認識は経済振興に貢献」

中国財政部の楼継偉部長

　「財政の問題は、両会（全国人民代表大会と全国人民政治協商会議）の記者会見で話そう。今日はG20財務相・中央銀行総裁会議（G20上海会議）の成果について説明しよう」。中国の楼継偉財政部長（財務大臣）は両会前に取材に応じ、世界の主要経済体が主張する「問題とリスクを正視しつつ、問題を誇張しない」というG20上海会議の共通認識を紹介した。人民日報が伝えた。

　楼部長は、「G20上海会議の基本的判断は、直近の国際市場の変動は世界経済の基本面を反映しておらず、主要新興市場経済体の成長は依然力強く維持されていくということだ」と述べ、この判断自体が経済振興へのシグナルであると指摘した。

　「国際社会の今回の会議に対する期待は非常に高く、G20が役割を発揮することを望んでおり、中でも中国の役割に期待が寄せられている。中国は今回の議長国であり、国際舞台の注目を集めており、その責任の重さも感じている」と楼部長。

　構造改革の重要性では各国が意見を一致させ、中国が示した「構造改革の重点分野と指導原則の構築、構造改革の発展アセスメントの指標体系の構築」という二つの提案に狙いが定められた。

　中国の構造改革は国際社会において模範的効果がある。楼部長は、「中国政府は現在構造改革の推進に力を入れており、とりわけ簡政放権（行政のスリム化と権限移譲）、規制緩和といった改革がそれある。目下中央政府は数百の行政審査事項を簡素化し、すべての都市に行政サービス窓口を設け、関連の審査事項の手続きの利便化を図っている」と述べた。楼部長は各国の財務大臣と総裁を中国の都市に招き、その一新された姿を見てもらい、「かつては数カ月ないし1年かかった手続きが、今では数日、数週間で可能となり、創業と革新を大いに促している」と紹介している。