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日韓経済モデル転換のプロセスと啓示

人民網日本語版 2016年03月04日08:13

東アジアで成功した追いつき追い越せ型のエコノミーといえば、日本と韓国が代表的だ。中国の発展環境と近いものがあり、成長の足跡も似ており、どちらも高度成長から中くらいの高度成長への転換を経験している。両国の経験や教訓は参考にする価値がある。「人民日報」海外版が伝えた。(文:劉世錦・国務院発展研究センター元副センター長)

両エコノミーはモデル転換の時期に入った後、成長ペースのギアを切り替えるための経験、理論、政策的準備が不足し、いまだにかつての高度成長を取り戻そうとして、うまく利用できたはずの調整のタイミングを見過ごしてきた。日本は20年にわたり9%を超える高度成長を続けた後、1970年代初頭にギアチェンジ期に入ったが、73年2月に閣議決定された「経済社会基本計画」では、73〜77年度の経済成長率目標が9.4%とされた。ここからわかることは、当時の日本政府は成長段階におけるギアチェンジのタイミングを理解しておらず、必要な政策的準備については言うまでもなく何もしなかったということだ。韓国では、成長段階におけるギアチェンジのタイミングは90年代中期にやってきたが、07年に選挙で選ばれた李明博大統領は、成長ペースを7%に回復するとの目標を掲げた。だが実際の成長ペースは目標にはほど遠く、国際金融危機の衝撃による苦境に陥った。

マクロ情勢に対する判断の誤りから、拡張型マクロ政策を繰り返すことで経済を活性化するというやり方はしばしば失敗に終わった。一部のエコノミーは構造的なペースダウンと周期的な変動を正確に区別できず、短期的なマクロ需要の管理政策によって成長ペースの鈍化に対応しようとした。たとえば日本は成長ペース鈍化の初期に引き締め政策を不適切に採用し、潜在的成長率が低下して初めて拡張政策の実施に力を入れたが、バブル経済が発生し崩壊し、経済は長期的な低迷に陥った。韓国も10数年にわたり総合的な緩和政策を推進したが、効果は上がらなかった。

生産能力過剰はモデル転換を進めるエコノミーが必ず抱える問題だ。深刻な過剰生産能力のガバナンスにおいて、東アジアのエコノミーはモデル転換初期に受け身で消極的な態度を取り、後になってから一連の有効な方法を採用することが多い。韓国はアジア金融危機の前に独占の強化と参入の制限、債務の免除といった方法により過剰生産能力の調整を遅らせ、その結果、危機を招き寄せることになった。70年代中期に、日本の重化学工業の生産能力は深刻な過剰状態に陥り、製造業の生産能力利用率は70%ほどになった。その後、日本政府は低迷する特定の産業を対象とした信用基金を設立し、企業の合併再編を推進し、海外投資を拡大するなどの措置により、企業の生産能力削減を効果的に推し進めた。


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