習近平総書記は5日、第12期全人代第4回会議上海代表団の審議に参加した際、両岸関係の発展について重要談話を発表した。人民日報が伝えた。
習総書記は「『92年コンセンサス』は両岸関係の平和的発展を安定して長期継続させるための鍵だ。92年コンセンサスの歴史事実を認め、その中心的趣旨に同意すれば、両岸双方は共通の政治的基礎を得て、良好な相互作用を維持することができる」と指摘した。この談話は両岸双方が良好な相互作用を維持する鍵がどこにあるのかを示し、両岸関係平和的発展の方向性を指し示した。
近年各界が広く関心を持っている問題についても、習総書記は談話で明らかにした。「台湾に対するわれわれの重要な政策・方針は明確で一貫したものであり、台湾政局の変化により変わることはない」。5月20日に民進党が台湾の政権を握る。両岸関係はどうなるのだろうか。習総書記は大陸側の立場を明確にした。「われわれは92年コンセンサスの政治的基礎を堅持し、両岸関係の平和的発展を引き続き推進する」。
92年コンセンサスが両岸関係の性質を明確に定義したことは、両岸関係にとって尋常ならざる意義を持つ。古くは1993年の「汪辜会談」が、両会協商・対話制度を切り開いた。最近で2015年に両岸指導者が会い、両岸指導者の直接対話を切り開いた。2008年以来、両岸関係が緊張と不穏な状態を脱し、平和的発展の道を歩み始め、台湾海峡が安定したのは、いずれも92年コンセンサスという共通の政治的基礎があったからだ。
92年コンセンサスを重視するなら、2つの点を重視しなければならない。第1に92年コンセンサスの歴史事実を認めること、第2に92年コンセンサスの中心的趣旨に同意することだ。92年コンセンサスの中心的趣旨は両岸関係を位置づけ、両岸が国と国との関係ではなく、「1つの中国、1つの台湾」でもないことを明確にした。この中心的趣旨に同意して初めて、両岸双方の共通の政治的基礎は強固なものになる。この中心的趣旨を否認すれば、共通の政治的基礎は見かけ倒しに終わる。92年コンセンサスの歴史事実のみを認め、その中心的趣旨を認めないことはできない。両岸の意志疎通と協議のみを語り、両岸協商の政治的基礎を無視することもできない。物事は拠り所がなければ成り立たない。
92年コンセンサスの中心的趣旨に同意するなら、「台湾独立」分離独立行為を断固として押しとどめなければならず、国家分裂という歴史の悲劇を繰り返させては断じてならない。これは中華民族全体の共通の願いと断固たる意志であり、歴史と人々に対するわれわれの厳粛な約束と責任でもある。両岸同胞は両岸関係の平和的発展の推進への期待に満ちている。われわれは彼らを失望させるべきではないし、ましてや歴史を逆行させて両岸関係を緊張と不穏な状態へと戻してはならない。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年3月7日