上海ディズニーランドは28日にチケットの予約受付が始まった。初日のチケットはインターネットで数秒のうちに売り切れ、公式サイトは一時システムが動かなくなった。業界では、上海ディズニーが上海市の観光産業全体を牽引するだけでなく、テーマパークブームももたらし、大陸部はこれから「テーマパーク経済」の時代を迎えるとの見方が広がる。「南方日報」が伝えた。
阿里旅行が統計をまとめたアジア・太平洋地域のテーマパーク国際ブランドのデータ分析によれば、年齢別にみると、中国人観光客の32%は25~29歳、また32%は30~35%で、経済的に独立した80後(1980年代生まれ)がテーマパークの主力購買層であることがわかる。
アナリストは、こうした特徴はテーマパークのチケット価格と大いに関係があるとみる。アジア・太平洋地域のテーマパーク国際ブランドの平均チケット価格は300元(1元は約17.4円)前後で、繁忙期は500元まで跳ね上がる。このような価格水準のチケットは、経済的に十分独立していない層には決して買いやすいものではない。
上海ディズニーは世界で6番目のディズニーランドだ。他の5つは米国のロサンゼルスとオーランド、パリ、香港、東京にある。
ディズニーの2015年度決算によると、ディズニーランド・ディズニーリゾートの売上高は161億6200万ドル(1ドルは約113.6円)に上り、ディズニーグループ全体の売上高の30.8%を占めた。利益は30億3100万ドルで、グループの利益のうち20.6%を担った。米国以外では東京ディズニーランドの業績が突出しており、14年の売上高は33億8700万ドルだった。香港の14年の売上高は東京のわずか5分の1で7億300万ドルにとどまったが、伸びは最も大きく、前年比11.62%増加した。東京は同0.81%の減少だった。
ディズニーランドは単なるテーマパークではなく、メディアネットワーク、映画・エンターテインメント、消費財、インタラクティブ産業を幅広く網羅する。ディズニーの15年度決算をみると、同社の時価総額は150億ドルに達した。世界にはライセンス企業が3千社以上あり、ディズニーアニメのキャラクターグッズ10万種類以上が販売されている。大陸部にもライセンス企業が100社以上ある。
易観智庫観光研究センターの姜昕蔚総監は、「アジア・太平洋地域のテーマパーク国際ブランドに比べ、中国のテーマパークはイメージキャラクターがはっきりしておらず、ディズニーのような吸引力をもった核となるイメージキャラクターがいない。また文化クリエイティブ産業やレジャー・観光産業の調整において産業の限界が明らかで、『ロングテール経済』の特徴が発揮されていない」と指摘する。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年3月29日