江西省南昌市の前漢海昏侯墓で出土した貴重な文化財を展示する「五色炫曜——南昌漢代海昏侯国考古成果展」が3月2日から北京の首都博物館で開催されてから今日までで20日ほどが過ぎ、毎日、予約定員5千人まで増員しているにも関わらず、入場券は依然として引く手あまたである。人民日報が伝えた。
海昏侯墓の評判は早くから博物館に留まることなく大人気で3月26日、「悲劇の帝王——海昏侯劉賀の過去と現在」の作者である黎隆武氏は北京市の王府井書店でサイン会を行ない、会場で1300冊以上を即売した。
海昏侯墓は考古学者や歴史愛好家、さらに附近の村民からも高い期待を集めている。観西村の裘有火という年配の男性は暇なときにいつも墓の附近を回っており、「いつかこの墓を開発したら、私達の暮らしもより一層良くなるだろう」と話す。
保護が先決:法律・法規を制定し、保全計画を作成し、最大限で遺跡を保護
「文化遺産を保護、心の故郷を守る」、「機関、組織、個人みんなで規則に則り文化財保護の義務がある」。新たに建設された道路に沿って海昏侯墓に車を走らせると、このようなスローガンが随所に見られる。
海昏侯墓の保護発掘作業は既に5年に及び、故宮博物院の単霽翔院長の同墓の保護発掘作業を「考古学の模範」として評価している。彼は、「作業員は現代科学技術を駆使し、伝統的な考古学規定に即して実施され、全ての発掘作業は慎重に行われている」と評価している。現地政府が投資し設立した温度と湿度がコントロールされている文化財倉庫も専門家から「先見の明がある、全国でも一流だ」と称賛されている。
文化財に関しては、法律・法規は強力な保障となる。「南昌前漢海昏侯国遺跡保護管理規則」、「紫禁城城跡と鉄河古墳群遺跡保護決定」など一連の法律・法規も現在整備中であるという。
発展を待つ:際立つ文化・観光価値、開発がもたらす新たな変化に期待を寄せる現地の村民
裘氏は、「大塘坪郷の清明酒や東坡肉はみんな現地の特産品だが、長い間、知り合い同士だけが売買していた。海昏侯墓の発掘に伴いここ2年ほどは村を訪れる観光客は増え、村の特産品の売れ行きも非常に良い。自家醸造の清明酒も1年で1万元(約17万3千円)以上売れる」と話す。