第1回世界観光発展大会が5月18日から21日にかけて北京で開催される。大会を迎えるにあたり、これまで訪中を重ねながら長期にわたり中日友好交流に尽力しきた浅野勝人元外務副大臣が先日、記者の取材に応じ、今大会への関心を表明した。人民網が伝えた。
観光地の開発、自然環境の保護が絶対条件
1978年、浅野氏はNHKの記者として中日両国の「中日平和友好条約」調印という歴史的瞬間を目の当たりにし、中国と深い縁を結んだ。その後浅野氏は政界へと入り、橋本内閣防衛政務官、森内閣外務政務次官、第一次安倍内閣副外務大臣、麻生内閣副官房長官などを歴任、2010年に政界を引退した。2011年以降、すでに70歳を過ぎていたが、北京大学といった中国の大学の招きを受け前後して8回講演を行い、学生に中日関係発展の歴史や氏の中日友好に対する思いを語ってきた。
浅野氏は中国古代文化芸術に大きな興味をもつとともに、今日の中国の発展にも関心を向け、長年中国各地を巡ってきた。浅野氏は、最も印象深いのは山東省曲埠の「三孔」、すなわち孔府、孔廟、孔林だと述べ、今後機会があれば甘粛省麦積山石窟を見に行ってみたいという。「全国に散在する大規模な石窟、その中の仏像、壁画等の歴史的遺産は計り知れない中国古来の宝庫。学術的な側面だけでなく、もっと観光事業として内外に周知すべきだ」と提言した。
近年、中国の社会経済は各分野で大きな成果を収めると同時に、観光業も飛躍的な発展を遂げ、訪れた各国の観光客を魅了してきた。中国の観光業の発展について浅野氏は、「都市部の発展に比べて、地方観光地の開発は比較にならないほど遅れている。但し、観光地の開発は、自然環境の保護が絶対条件。観光客誘致のための航空、鉄道、道路の交通網、関連宿泊施設を拡充するための公共事業は、自然環境保全の最優先が何より重要で、自然破壊をして観光事業は成り立たない」と強調した。