李氏によると、この重畳関係がはっきりしている元・明・清代遺跡は、故宮の「三畳層」とも呼べ、重畳型都市の考古学調査の実践の成功例と言える。今回の発見は、故宮発展の歴史における節目となり、紫禁城の元・明・清の三王朝と北京の中軸線の移り変わり、紫禁城の歴史、中国古代建築史に対して、極めて重要な意義を持つ。故宮は皇族の遺跡、元・明・清の中心地帯であり、唯一の価値を持つ。隆宗門から東の「三畳層」も唯一の価値を持つ、学術研究・保護・展示の重要な遺跡だ。これには「平面の故宮」を「立体の故宮」に向かわせる重大な意義がある。
また故宮考古研究所は考古学調査により、宮廷御用達の磁器の破片が捨てられた穴を初めて明らかにした。この紫禁城の南西の角にある南大庫磁器埋蔵坑は、皇帝が御用達の磁器を生産から使用の最後まで独占していたことを、考古学的に証明した。また、宮廷エリア内から発掘された頭骨碗(カパーラ)は、文献に記録されているこの法器の、破損・倉庫保管後の行き先を明らかにした。
故宮考古研究所はさらに、景徳鎮陶磁考古研究所などと共同で、比較的整った正徳宮窯釉上彩の半製品の堆積物を発見し、一部の釉薬の顔料と原材料を発見した。これは景徳鎮御窯の考古学調査における初の例であり、明の釉薬製作技術の研究に極めて貴重な実物資料をもたらした。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年5月6日