広く浅くが現代人の傾向か
デジタル読書の勢いを止めることはもう誰にもできないが、実際には、その質はばらばらで、構造も複雑だ。
調査報告書によると、デジタル読書のコンテンツの出所を見ると、「微信(WeChat)で登録した公式アカウントから送られてくるコンテンツやモーメンツにアップされたコンテンツ」が過半数を占め、2位の「ブラウザーで見られるウェブサイトのコンテンツ」を30ポイントも上回った。男女の差を見ると、男性が「ニュースアプリ」を好んでいるのに対し、女性は、「微信、SNSアプリ」、「文学サイト」を好んでいる。
統計を見ると、人々の読書に対するニーズが多元化し、うち、ニュースに対するニーズが特に高まっている。そして、情報量の多い「ニュースアプリ」が、欠かすことのできない必須アイテムとなっている。
その他、読書における忍耐力低下が、中国人の読書行為における大きな特徴となっている。「広く浅い」読書が明らかな傾向となっているのだ。コンテンツの出所のうち、「微信で登録した公式アカウントから送られてくるコンテンツやモーメンツにアップされたコンテンツ」が過半数を占めていることがその傾向を浮き彫りにしている。ある研究者は、「功利的な読書が、文化的な読書より人気があり、流行本が定番の名作より人気がある。そして、知識の習得より情報量のほうが勝り、文学を楽しむより、ニュースに注目するようになっており、理論を探求するより、娯楽を追求するようになっている。これらが、デジタル読書時代に見られる普遍的な特徴」と分析している。