紙の本が復活の兆し
デジタル読書が優勢になり、紙の本や雑誌、新聞などの読書率が劣勢になっているというのは疑う余地のない事実で、「従来式の読書は死んだ」という論調が一時的に盛り上がった。
しかし、統計を見ると、「従来式の読書」はまだ衰退の時期を迎えたわけではないようだ。中国の成人の読書スタイルの傾向を見ると、15年、57.5%が「紙の図書を読む」傾向にあり、「オンライン読書」の傾向にあるのはわずか10.2%にとどまった。また、「スマホ読書」の傾向にあるのは27%、「電子書籍リーダーで読書」の傾向にあるのは4.1%、「ネットでダウンロードかプリントアウトして読書」の傾向にあるのは1.2%にとどまった。
実際には、紙の本と電子書籍は、互いに包括、包容する関係を形成している。アマゾンのある調査によると、回答者の80%が「紙の本も電子書籍も読む」と答え、それらが互いに補い合う関係であることが分かる。
それを実証するかのように、一度は衰退を経験した実店舗を構える本屋が現在、復活を遂げている。本屋が再起するにつれ、従来の読書は、デジタル読書の隙間に新たな活路を見出している。
このような読書をめぐる複雑な現状に、私たちはどのように対応すればよいのだろう?専門家は、「国民一人ひとりは、デジタル時代にふさわしい読書観を身に付け、思考力を働かせることや深く読むようにしなければならない。一方、政府は、文化教育事業に対する投資を拡大させ、国民の読書のために、相応の対策を講じなければならない」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年5月23日