2016年5月27日  
 

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中国で一生を、ある日本人孤児の物語 (2)

人民網日本語版 2016年05月27日14:31

○新しい家 毛主席を描いた半生

宏一さんを引き取った男性の名は王殿臣さん。引き取られた宏一さんは王家の長男となり、名前も「王林起」となった。その日から、宏一さんは温かいオンドルの上で寝るようになった。

十代だった宏一さんは半年もしないうちに新しい生活に慣れていった。王家は瀋陽から北平へ引っ越し、宏一さんは三年生の時に中華人民共和国建国後、第一期生となる少年先鋒隊隊員に選ばれた。宏一さんは他の隊員とともに、天安門広場で行われた建国式典に参列し、金水橋に向かって無数に放たれた風船に両手を大きく振り、偉大な指導者である毛主席に歓呼の声をあげた。その時、彼は「なんとも言えない誇りと幸せを感じた」という。

その後、宏一さんは北京市第十二中学(中高一貫校)の高等部に進学したが、養父母が日々の生計にも苦労しているのを目にし、退学。ちょうど工場労働者募集が盛んな時期だったこともあり、北京タービン工場の研削盤操作の仕事を得て、定年退職まで勤め上げた。

また宏一さんは中央美術学院に派遣され、毛主席の肖像画を描くカリキュラムを受けた経験もある。カリキュラム修了後、宏一さんは工場のために数多くの毛主席の肖像画や、革命と生産促進の宣伝ポスターを描いた。彼のこの才能は工場で重用された。

中国に残った宏一さんはその後の半生においても毛主席を描き続けた。


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