フィリピンの南中国海仲裁裁判のフィリピン側弁護士が、裁定は南中国海における中国の主張の法的基盤を剥奪すると表明したことについて、外交部(外務省)の洪磊報道官は4日の定例記者会見で「裁定は権限拡大、権限乱用の不法な産物であり、南中国海における中国の主権と権益は不法な裁定の影響を受けない」と表明した。
南中国海仲裁裁判のフィリピン側首席弁護士は6月29日、ロイター通信の取材を受けた。報道によると、南中国海における中国の主張が「九段線」に基づき、「九段線」は、数多くの係争島・礁、豊富な漁場、石油・天然ガス田を含む。同弁護士は「中国政府に対する裁定は中国の主張の全ての法的基盤を剥奪する」と指摘した。
洪報道官は「同氏はフィリピン側を代行する弁護士であり、フィリピン側の見解を知っていることはおかしなことではない。だが裁定が出る前にすでに裁定がどのようなものになるかを知っており、かつ裁定がその考えに沿って描かれると知っているのは、おかしなことだ」と指摘。「同氏の発言は、いわゆる仲裁裁判所が一部勢力の代弁者に過ぎないことを証明し、フィリピン・アキノ政権の申し立てた南中国海仲裁裁判が南沙(英語名スプラトリー)諸島の島・礁の主権と海洋境界画定に関わることを証明し、アキノ当局の3年余りの嘘を暴露することを再び物語ったのみだ。フィリピンが一方的に設置を要請した仲裁裁判所が本件に対する管轄権はなく、仲裁裁判所がたとえ裁定を下しても、権限拡大、権限乱用の不法な産物であり、いかなる法的効力もない」と述べた。
また「南中国海における中国の領土主権と関連する権利は長年の歴史的過程の中で形成されたものであり、歴代中国政権が堅持し、十分な歴史的、法的根拠を持つ。南中国海における中国の主権と権益は不法な裁定の影響を受けない」と指摘した。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年7月5日
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