日本の農林水産省がこのほど発表した統計データによると、日本の農業就業者は、今年初めて200万人を割り込み、1990年比で60%減少した。農業就業者は今後も減少傾向が続く見通しだ。人民日報が報じた。
農業就業者が激減している原因は、高齢化にある。日本の農業就業者の平均年齢はすでに67歳に達した。高齢化にともない、多くの農家が、農業を辞めるという選択を取らざるを得なくなっている。また、過酷な労働環境や決まった休みが取れないこと、さらには収入が不安定なことも、日本の若者が農業を敬遠する要因となっている。
農業就業者の減少は、日本の農業が直面する困難の一つにすぎない。耕地面積が減少し続けていることも、日本の農業にとって頭痛の種となっている。2015年、日本全国の耕地面積は449万6千ヘクタールとなり、前年同期比0.5%減少した。
さまざまな難題に直面している日本の農業は、一刻も早い改革を迫られている。日本の農業従事者が減少の一途をたどっているという難題を解決するために、より多くの若者の関心を農業に向けさせ、農業に参加させる試みとして、企業法人という形態で農業生産を行うことは、効果的な方法のひとつと言えるだろう。2009年に日本の「農地法」が改正され、企業が農業生産に参入するためのハードルはかなり下がり、現時点で約1000社の日本企業が、国内農業分野への進出を検討している。たとえば、国内大手小売チェーンのイオンは、国内各地に「農業基地」を建設し、先進的な農業用機械を導入して大量の野菜・果物を栽培することで、品種が豊富で新鮮な農産物を求める消費者のニーズを満たしている。
他のいくつかの企業も、農業IT化の発展を試みている。農業用機械を製造するクボタは今年初め、無人で耕作などの作業ができる自動運転トラクターを発表した。このトラクターは、GPSシステムを採用して車両位置を確定させ、事前に入力したデータに基づき、トラクターの自動制御ハンドルと耕作装置によって、無人運転で農地を耕し、施肥や農薬散布などの作業を行い、日本の農業の人手不足という難題解決の一助になると期待されている。
JA全農(全国農業協同組合連合会)は、国内農産物の生産・流通の主要ルートを掌握しているが、同会のメンバーの多くは、兼業農家であり、保有する耕地の平均面積は約2ヘクタルにとどまり、大規模な機械化を実現できる可能性は皆無で、日本の農業生産の効果的な発展の足かせとなっている。
農林水産省は、2015年度の日本の食料自給率は6年連続39%であると発表した。この数値は先進国中最も低い。日本の農業はかなり小規模で、農業の産業規模はGDP全体から見るとわずか1%。米を除くほとんど全ての農産物を輸入に頼っており、日本の農家は国家による保護政策の恩恵にあずかることに慣れ切っており、国際競争に参与する意欲が見られない。日本政府は今後RTA(地域貿易協定)を頼みの綱として、農林水産品と食品の輸出額を2020年までに2014年の6千億円から1兆円に増やす計画だが、現状は決して楽観視できるものではない。日本の農業は今後、さらなる窮地に追い込まれると予想される。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年8月8日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn