SPは俗に「医学モデル」と呼ばれている。チャイナドレス姿でランウェイを闊歩するファッションモデルやアトリエでさまざまなポーズをとる美術モデルとは異なり、医学モデルはどちらかと言えば俳優に近い。カルテというシナリオに基づき、彼らは患者の役を演じる。
この老婦人は栾暁英さんといい、今年82歳になる。1992年のある朝、四川大学華西臨床医学院を通りかかったときに、教育指導員募集の広告が彼女の目に留まったのだという。そしてついに、彼女はアジア初の「医学モデル」となった。
SPは、内科、小児科、婦人科、精神科の各科を網羅しており、栾さんは内科に配属され、「急性膵炎患者」の役を与えられた。こうして、「急性膵炎患者」としての彼女のキャリアは12年間に及んだ。
役者の経験がある栾さんにとって、お芝居を演じるのはお手のものだが、課題チームが作った「シナリオ」を読んでいて、「行き詰まる」こともあるのだそうだ。シナリオはA4用紙2枚に綴られたカルテで、患者の症状、痛みの部位、体温、既往症などの情報が書かれている。
より真に迫った演技をするために、栾さんは医師や周囲の「急性膵炎」経験者を捕まえては研究を重ねてきた。まるで「取りつかれた」かのように、知り合いを捕まえては、「この病気になったことがある?」と聞きまくったそうだ。
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