米国抜きのTPPは、「環太平洋」の名前にふさわしくない。そうしたわけでTPP加盟国の一部から中国を米国の代わりに位置づける代替案が出されている。ペルーのクチンスキ大統領はこのほど、「米国を含まない新しい環太平洋経済協力協定を構築すべきだ」と述べ、中国やロシアが含まれたプランをうち出した。TPPの重要な加盟国であるオーストラリアのビショップ外相は、「TPPが進展できないなら、その空白はASEAN10カ国と中国、オーストラリア、インド、日本、韓国、ニュージーランドの16カ国を含む『東アジア地域包括的経済連携』(RCEP)が埋めることになる」との見方を示した。
ペルーは今年、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の開催国であり、今月末には首都リマで会議が行われ、TPPとRCEPの加盟国の指導者がほぼ全員参加する見込みだ。中国はRCEPを推すだけでなく、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)も推進している。FTAAPが建設されれば、アジア太平洋地域のメカニズムとして最も整い、最もハイレベルで、最も影響力が大きく、最も恩恵の大きな自由貿易協定になる。
経済貿易のものは経済貿易に返すのが、根本的なやり方だ。中国はアジア太平洋の自由貿易交渉をめぐる責任を担うと同時に、米国抜きのTPPも排除しない。日本が他の10カ国を引っ張って、11カ国によるTPPを構築することができれば、地域の自由貿易メカニズムの改善にプラスになる。RCEPや地域内の二国間・多国間の一連の自由貿易メカニズムは、すべてアジア太平洋地域の経済貿易一体化に向けた有機的な構成要素だ。こうした自由貿易区の実現・実施の経験や教訓は、どれもFTAAPの最終的な実現にとってプラスになる。
アジア太平洋地域の二国間・多国間の自由貿易メカニズムには、いずれもリーダー役が必要だ。米国が政治的要因でTPPをあと少しのところで挫折させた今、中国はアジア太平洋地域一体化の推進でより多くの責任を果たさなければならなくなったといえる。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年11月17日
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