日本ドラマで結婚指南（二）：度外視された女性の家庭における労働価値 (3)

みくりが家庭での労働価値を得るスタイルはいろいろな工夫をこらして仕事をするというものだが、多くの日本のキャリアウーマンからすると、家庭と仕事の両立はほぼ不可能というのが現実だ。今春クールのドラマ「営業部長 吉良奈津子」ではこのような選択によって何も残らないという、やるせない現状を描いている。同ドラマでは脚本家が「男の人がうらやましい。結婚して子供ができても、仕事に変化を及ぼすことなんてないから」とヒロインに言わせることで、現代女性が家庭と仕事の二重のプレッシャーを抱えている現実を浮き彫りにしている。

それでは、みくりのように仕事をあきらめて家庭を選べば、安定するかと言えばそういう訳でもないようだ。ドラマ「名前をなくした女神」では、結婚してから夫の姓となる妻の実情を大胆に描きだしている。専業主婦となった彼女たちは、「○○ママ」や「△△さんの奥さん」といったように「名前を失った」人となり、他人からは見えないプレッシャーを抱えることになる。それは、家庭を支える女性として、経済的・社会的に弱い立場にあり、理想の妻や母親を演じなければならないというプレッシャーだ。さらには、「ママ友」たちの間での比べ合いや陰口にも向き合わなければならない。このように、女性の家庭における労働価値は、当然のことのようにそのコストが度外視されているのが現状だ。（編集YK）

「人民網日本語版」2016年11月25日