2016年12月9日  
 

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人民網日本語版>>経済

強まる保護貿易ムード FTAの進展加速を (2)

人民網日本語版 2016年12月09日16:18

欧州の有名シンクタンクのマダリアガ欧州学院基金会の執行代表ピエール・デフレーンさんは取材に対し、「反ダンピング措置は中国・欧州間貿易の総量の2%にも満たない。市場経済国の地位を認められないことで中欧経済貿易の大局に影響が出るなら、得るものより失うものの方が多くなる」と述べた。

欧州自動車産業はEUが中国製の部品やアルミホイールなどの中間製品に対しより高額の輸入関税を課すことで、打撃を受ける可能性がある。ドイツのBMW、フランスのプジョーやルノーを含む欧州自動車メーカーは、現在、中国からの輸入アルミホイールに22.3%の関税を支払っている。この従量税は欧州委員会の審査を受けているところだ。

米有名シンクタンクのピーターソン国際経済研究所はトランプ氏がしかけるとみられる貿易戦争のもたらすであろう結果について状況分析を行った。それによると、米国が中国からの輸入製品に45%、メキシコからの輸入製品に35%の関税をかけたなら、中国とメキシコも米国からの輸入製品に同率の関税を課すとみられ、米国は輸出入が縮小し、国内の物価が上昇し、消費と投資が長年にわたって貿易戦争がない時期の基本的な状況を下回り、経済成長率が低下を続け、19年には経済が衰退期に突入し、失業率は現在の4.9%から急上昇して20年には8.6%に達するという。ノーベル経済学賞を受賞したスディグリッツ氏も、「貿易戦争を発動すれば、米国経済は最大の敗者になる」と予想する。

米国の次期大統領トランプ氏が保護貿易を主張するため、環太平洋経済連携協定(TPP)は暗礁に乗り上げ、米国とEUの間の環大西洋貿易投資パートナーシップ(TTIP)も失敗する運命から逃れられそうもない。こうしたことがEUにとって脅威になっている。トランプ氏が大統領に当選した後、欧州委員会のマルムストローム委員(貿易担当)は、「TTIPはかなり長い期間『冷凍』されることになるだろう」との見方を示し、前出のデフレーンさんは、「こうした状況の中、欧州の対外貿易はユーラシア大陸により重きを置かなければならない。とりわけ中国に重きを置かなければならない」と指摘する。


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