国家海洋局が先ごろ発表した「2015年全国海水利用報告書」によると、全国で2015年末までに121ヶ所の海水淡水化施設が建設された。これらの施設による海水淡水化の規模は、1日当たり100万トン以上にのぼる。人民日報が伝えた。
中国は世界の人口の22%を占めるが、淡水占有量は世界の8%のみ。1人平均で世界109位となっており、水資源不足が深刻な国の一つになっている。全国657都市のうち300都市以上で水不足になっており、特に天津市、大連市、青島市、上海市、深セン市などの沿岸部の都市は、極度の水不足に陥っている。
国家海洋局天津海水淡水化・総合利用研究所長の李琳梅氏は「節水措置を推進し、利用効率を高め、流域を跨ぐ水資源の調整などの手段以外にも、海水の効果的な利用と代替を実施し、海水を飲料水としなければならない。海水淡水化技術の発展は、世界各国の共通認識であり、すでに160ヶ国以上が淡水化技術を応用している」と述べた。
専門家は、一部の人々は海水淡水化技術への理解が不足していることから、懸念を抱いていると指摘した。海洋には豊富な淡水が含まれる。海水は日光の照射により蒸発し、雨・雪・霧となり淡水に変化し、地表で再び集まり川や湖になる。
李氏は「大自然の水循環は、海水淡水化のようなものだ。海水淡水化技術は自然界の淡水生成メカニズムと同様だ」と述べた。
新疆ウイグル自治区和田地下水改良模範プロジェクトが、2015年12月に淡水の生成を開始した。海水淡水化技術を利用し地下の鹹水を処理し、約6000人に水資源を供給した。「中国の鹹水分布面積は160万平方キロに及び、西部地区の2000万人以上が飲み水に困り、水質の安全性が保証されていない水を飲んでいる。海水淡水化技術は、この局面を改善できる」と李氏は述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年12月19日
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