供給サイドからみると、ますます多様化する中国の消費ニーズにはまだ大きな発展の可能性がある。観光市場をみても、過去10年間には、海外での消費の増加率が毎年2けたに達し、アウトバウンド市場とインバウンド市場で「消費赤字」の局面が続いている。消費財とサービスの供給は、消費バージョンアップのニーズにまだ効果的に対応できていない。それだけでなく、物流コストの引き下げにはまだ可能性があり、ニセモノの製造販売、消費者の個人情報漏洩といった問題がまだ根本的に解決されていない。こうしたことはすべて消費分野の供給側構造改革において解決しなければならない難題だ。
需要サイドからみると、個人の所得水準、地域の発展の不均衡、都市と農村の格差といった問題は、客観的にみて消費の潜在力のさらなる発揮を制約している。「2017年中国EC半年報」によれば、広東省、浙江省、上海市、江蘇省、北京市、福建省の6地域のネット小売額を合わせると全国の80%を占めるという。農村地域のブロードバンドネットワーク構築と基地局建設、スマート物流システムと円滑な冷蔵輸送チェーンの構築、オンラインとオフラインの低コストでの融合推進、都市・農村間のECをめぐるデジタルデバイドの縮小をさらに強化すれば、農村市場の、とりわけ農村EC市場の巨大な「眠れる消費」が目を覚ますことは確実だ。
新時代の中国社会の主な矛盾点が消費分野に反映されており、供給される製品の質、技術の研究開発力と革新力が国内の消費バージョンアップのニーズに遅れを取っていることに現れている。人々の日に日に増大する素晴らしい生活へのニーズは待ったなしだ。国内消費の選択肢を増やし、海外に流れた消費を回流させ、消費構造を最適化し、消費のバージョンアップを推進して、たくさんの人々の個性と多様性と差別化を求める消費ニーズに応えていかなければ、国民を中心とした発展理念をよりよく体現することはできない。(編集KS)
「人民網日本語版」2017年11月14日
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