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中国の文化消費は「余楽」へ発展 心のニーズをより重視

人民網日本語版 2017年12月25日14:00
中国の文化消費は「余楽」へ発展 心のニーズをより重視
中国伝媒大学広告学院丁俊傑院長

現代では、多くの人が海外旅行先を選ぶ時に、1本の映画や1曲の音楽をその理由にする。自分で豆を煎ってコーヒーを入れると、手間をかけただけの達成感と満足感を得られる。ミルクティーの店の長い行列に並ぶのは、珍しいからではなく味が気に入っているからだ。……このような「文化消費」では実利を求めるだけではなく、精神的なニーズを満たすことがより重要になる。人民網が伝えた。

ここ数年、「文化消費」の範疇が音楽、演劇、絵画といった文化芸術分野から、徐々に拡大して人々の日常生活にもっと接近した飲食、ファッション、スポーツ、映画・テレビ、漫画・アニメーションなどの分野へと広がっている。この現象の背後にある推進要因として、経済が持続的に発展し物質的にますます豊かになるのにともない、ココロの豊かさを追い求めるようになった中国の新中流層がある。

このほど博報堂生活総研(上海)と中国伝媒大学広告学院が共同で発表した2017年度の研究報告書「生活者“動”察」によると、これまでの消費者が「効率」、「手軽」、「他人目線」の追求を全体的傾向としていたのとは異なり、現代の消費者は「無駄」や「手間」や「自分目線」といえるようなやり方で精神的満足を得ることをより重視するようになった。博報堂によると、新中流層に堆積されてきた精神的渇望が、文化消費の持続的成長を駆動する要因だという。

「文化消費」の心理的変化をよりよく把握するため、同報告書は消費者にみられる新しい志向を次の7点に分類する。▽「デイリークオリティ」志向(新しい生活品質意識)▽「素養」志向(新しい成長意識)▽「文化趣味+スキル」志向(新しい差別化意識)▽「リアル共創」志向(新しい参加意識)▽「慢」志向(新しい充実感)▽「熟」志向(新しいモノの見方の判断基準)▽「ヌーベル“チャイナ”」志向(新しいデザイン意識)の7点だ。こうした志向の背後にある共通の属性は、自分の趣味や特技を発揮して、自分自身をより追求したいという心情だ。

専門家は、「1979年から2016年にかけて、中国の国内総生産(GDP)は183倍に増加し、都市の一人あたり平均可処分所得は97倍増加し、農村の平均純収入は77倍以上増加した。これを土台に、消費市場には主体の多様化、情報の細分化、ランダムな消費、短期間での大きな変化といった状況が出現し、消費市場でも消費者においても、『精緻』で『心を込める』消費が姿をみせるようになった」と指摘する。

また同専門家は、「経済水準の上昇のほか、グローバル化した情報が迅速に伝わるようになったこと、文化強国政策の後押しがあったことも、文化消費が急速に発展した重要な要因であり、こうして『余楽』(「文化消費」の背後にある新中流層のおおもとの欲求)をやってみて、作り出して、味わえるようになった。企業にとっては、『ゆったりした』空間を作り出してくつろぎムードを創出し、『イベント感』を醸し出して人と同じではいやという消費者の心の声に応えることができれば、より大きな商業的価値を生み出すことが可能になる」との見方を示す。(編集KS)

「人民網日本語版」2017年12月25


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