SNSの新規登録やネット通販、銀行オンライン取引といったような日常生活におけるネット上の実名認証の必要性がますます高まっている。昨年、広東省広州市などの都市では、「微信(WeChat)身分証」の発行に続き、中国初の声紋認証技術に基づくインターネット上の身分認証クラウドプロジェクトがこのほど貴州省で構築された。これによりさらに多くの人々にネット上の身分認証サービスが提供されることになる。
このプロジェクトは貴州省貴安新区と清華大学情報技術研究院と北京得意音通技術有限責任会社が共同で立ち上げ、インターネット身分認証の分野における課題を解決し、幅広いユーザーに質の高い身分認証クラウドサービスを提供することを目指している。
中国科学院の張鈸院士は、情報安全の確保は国の経済と国民の生活に関わる重大な課題であり、なかでも身分認証は極めて重要な部分だと指摘し、情報技術の発展が日進月歩しているとはいえ、全ての人にいかなる状況下においても唯一絶対の身分情報を与えるというのは、依然として非常に難しい課題だとした。
現在、身分認証の方法はPSK(事前共有キー)による身分認証とバイオメトリック(生体認証)に基づく身分認証、公開鍵暗号方式に基づく身分認証に分けられる。声紋認証とは、音声に含まれる話し手の音声特徴によって本人を確認する技術。他の生体認証に比べ、声紋認証は失ったり忘れたりされることがなく、わざわざ覚える必要がなく、便利に使用できるというようなメリットがある。
専門家は現時点で、声紋技術は各種生体認証の中でも比較的安全であり、金融や交通、医療、教育、旅行、司法といった公共サービスに幅広く用いることができ、人々の生活にさらに多くの利便性をもたらすと同時に、個人情報の安全確保も期待できるとしている。
貴州省貴安新区ビッグデータセンター主任補の蒋合領氏によると、貴安新区は2014年に国務院により批准された国レベルの新区であり、ビッグデータ産業を始めとする5つの戦略的新興産業の建設を目指している。身分認証クラウドプロジェクトは次の重点プロジェクトになるとみられており、さらに貴安新区は中国初の国レベルのビッグデータ総合試験区として、その主戦場としての優位性を発揮し、身分認証クラウドの建設を全力で支援することを明らかにしている。(編集HQ)
「人民網日本語版」2018年3月22日
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